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【交通税と県議会の攻防・第29回】ワークショップと形骸化するパブコメ | 令和6年10月


【交通税と県議会の攻防・第29回】ワークショップと形骸化するパブコメ | 令和6年10月

↑人物のイラストは実際の人物と無関係の、AIが作成したイメージです。ご了承ください。


今回のポイント

令和6年10月の特別委員会と11月定例会議で、交通税の議論を支える「県民参加」の実態が改めて問われました。

特別委員会では、谷口典隆委員(自民党)が「ワークショップに参加できない高齢者の声はサイレントマジョリティーだ」と指摘。湖北のワークショップで「一部の公共交通施策は本質的には福祉施策ではないのか」という意見が出たことを引き、「声なき声をいかにすくい取るかが、この計画で一番大事なところ」と強調しました。

そして11月定例会議では、佐口佳恵議員がパブリックコメント制度の実効性を正面から問いました。過去3年間のパブコメ79件中、原案より早い段階で実施されたのはわずか16件(約2割)。意見2,290件中、反映されたのは597件(26%)。佐口議員は「反映されたと思ったら表現を変えただけだった」「聞いたよというアリバイづくりにすぎないのではないか」という県民の声を紹介し、「もっと早い議論の段階で広く意見を取り入れてほしい」と求めました。

交通税の議論が「参加型税制」を標榜する以上、その参加の仕組み自体が問われるのは当然のことです。


交通税関連質疑のまとめ

公共交通特別委員会(10月9日)


第1回ワークショップの報告を受けて質疑が行われました。

重田剛委員は、想定外の意見があったかを確認。小林交通戦略課長は「デマンドバスやコミュニティバスについて、交通に関心のある参加者でも市町の取組を知らないという意見が出たことに驚いた」と答えました。

 

佐口佳恵議員は、2回目のワークショップで施策と財源を具体的に提示する際、「3パターンか5パターンの例示を示し、交通税が前提であるような誤解を与えないよう注意しながら、具体的なイメージを共有できるようにしてほしい」と要望しました。小林課長は「誘導と取られないように工夫を凝らしたい」と応じつつ「委託先のコンサル業者とともに頭を悩ませている」と述べました。

 

谷口典隆委員(自民党)は、参加者の年齢構成が一見バランスよく見えても「比較的健常な方が多い」と指摘。「会場に出てくることすら難しい高齢者の声がサイレントマジョリティー」だと述べ、湖北のワークショップで出た「一部の公共交通施策は本質的には福祉施策ではないのか」という意見を紹介しました。「声なき声を反映しない計画は絵に描いた餅になる」と警告し、ワークショップ以外の多面的な方法での意見収集を求めました。小林課長は「福祉部門等にも情報を共有し、漏れのないように検討を重ねたい」と答弁しました。

 

九里学委員(チームしが)は、13市6町の議員や行政職員との話し合いの場を設けることを提案。「地域交通計画ができるまでに、市町議会議員と市町の行政が深く話し合える場を取り持ってほしい」と求めました。

 

田中誠委員(滋賀維新の会)は、6地域中5地域が午前9時半開始であったことについて「来る人に偏りが出る」と指摘しました。

 

加藤誠一委員は、ライドシェアの国スポに向けた進捗を確認。小林課長は「全市町に意向を確認中。佐賀国スポでのライドシェア導入の情報も収集している」と報告しました。



11月定例会議・本会議(12月11日)


佐口佳恵議員は、パブリックコメント制度の実効性について総務部長に質問しました。

ニュージーランドの先進例(法案段階で国民から広く意見を募り、委員会で直接対面で意見を述べられる制度)を紹介した上で、本県のパブコメの現状を数字で確認。過去3年間の実施件数は79件で、原案より早い段階(素案・骨子段階)で実施されたのは16件。意見2,290件中、反映されたのは597件でした。

 

佐口議員は県民の声として「ほとんど反映されない」「反映されたと思ったら表現を変えただけ」「聞いたよというアリバイづくりにすぎないのではないか」という厳しい言葉を紹介。「原案の段階になってからの変更はしづらい。もっと早い議論の段階で広く県民の意見を取り入れてほしい」と求めました。

 

また、県民が勉強会を開いてパブコメに取り組むケースについて、「だまし討ちのような意思形成とは全く異なる」「真摯に勉強会を開いた方々が声を上げることを軽視すべきではない」と述べ、県民参加の質を高めるよう訴えました。

 

岡田総務部長は「県民の皆様からいただく意見は全て意思決定の参考となる大切なもの」とし、実施時期の前倒しや実施期間の延長を「引き続き各部局にお願いしたい」と答弁しました。




感想

95名のワークショップ参加者の意見と、140万県民の意思の間には、埋めがたい距離があります。


佐口議員が明らかにしたパブコメの数字も示唆的です。8割が原案段階での実施、反映率26%。しかも「反映」の中身は表現変更が多いという県民の実感。「参加型税制」を掲げる交通税の議論において、県民参加の仕組み自体がこの水準では、どれだけワークショップやフォーラムを重ねても、「アリバイづくり」という批判を免れないでしょう。


県が本気で県民の声を聞くつもりなら、「交通税に反対」という声も含めて、意見収集の仕組みそのものを根本から見直す必要があります。形式的な手続きの積み重ねでは、県民の納得は得られません。




署名にご協力ください

交通税の導入に反対する署名活動を行っています。県民の声を届けるため、ぜひご協力をお願いいたします。

滋賀県減税会

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