【交通税と県議会の攻防・第28回】左右から挟まれる交通税と草津線の現実
- 喜多G13

- 5 日前
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今回のポイント
令和6年9月定例会議で、交通税に対して左右両方の立場から批判が投じられました。
節木三千代議員(日本共産党)は「住民に負担を求める交通税の導入ではなく、大型事業を見直して地域公共交通の予算を抜本的に増やすべき」と正面から反対を表明。県のコミュニティバス補助金が2008年に県負担が2分の1から3分の1に削減されて以降、4億2,940万円から2億5,263万円に減少した経緯を具体的に示し、国への財源要求と県独自の支援拡充を求めました。
一方、小河文人議員(自民党)は、自らSKR(信楽高原鐵道)と草津線で毎日通勤する経験を踏まえ、現場の声に基づいた質問を展開しました。交通税について「ありきではないという知事の姿勢には賛成」としつつも、推進フレームに「常に税制審議会との連携」が入っていることを「交通税の布石とも取られないか」と率直に指摘しました。
さらに小河議員は、滋賀地域交通ビジョンが県民の日々の生活に密着した地域交通に焦点を当てる一方で、産業誘致や観光、広域交通の視点が弱いことを問題視。草津線の複線化促進期成同盟会の名称変更問題についても、県と沿線市町の意見不一致が露呈した経緯を取り上げました。
交通税関連質疑のまとめ
9月定例会議・本会議(9月30日)

節木三千代議員(日本共産党)は、地域公共交通の充実について4点を質問しました。
バス路線の減便問題では、大津市の山中比叡平地域で京阪バスが2022年に4割近く減便した実態を示し、国庫補助の単価が低すぎることと上限があることから大津市の負担が重くなっていると指摘しました。
コミュニティバスへの県の支援については、2008年に県負担が2分の1から3分の1に削減され、地方バス対策費が4億2,940万円から2億5,263万円に減少した経緯を示し、「県の負担額を引き上げ、上限の規定をなくすこと」を求めました。
そして「住民に負担を求める交通税の導入ではなく、大型事業を見直して、地域公共交通を充実するための予算を抜本的に増やすこと」と、交通税への明確な反対を表明しました。
知事の答弁
知事は、コミュニティバスへの支援について「市町から補助の増額や補助対象の拡充などの改善要望を多くいただいており、県の支援制度の在り方について議論、検討したい」と答弁。交通税については「例えば交通税というものがあればどういうことになるのかという検討も含め、公論熟議で県民の皆さんと丁寧に議論を進めたい」と従来の姿勢を繰り返しました。
9月定例会議・本会議(10月2日)

小河文人議員(自民党)は、自身がSKRと草津線で毎日約1時間半かけて通勤している経験を紹介し、現場で出会う障害者や高齢者の声を踏まえた質問を展開しました。
前ビジョン(平成25年策定)から新ビジョンへの経緯と総括を問い、新ビジョンが「滋賀の発展、成長というところまで踏み込んでいない」「県としての広域交通の方針が示されていない」と指摘。産業誘致やインバウンドのアクセスなど広域的な観点を含めるべきだと述べました。
交通税については、推進フレームに「常に税制審議会との連携」が記載されていることに触れ、「交通税の布石とも取られないか」と質問。
答弁
知事は「交通税ありきではなく、事業者の努力、利用者の負担、国の資金活用も行いながら、それでも足りない場合に少しずつ負担し合う交通税という選択肢も逃げずに議論しようと提起している」と答弁しました。
草津線については、貴生川駅以東の輸送密度が2,250人と低い現状を示し、甲南駅より貴生川駅まで送迎したほうが便利なため「貴生川以東の乗車率低下の一因ではないか」と指摘。波多野土木交通部長は「減便による利便性の低下が要因の一つ」と認め、「大変危機感を持っている」と述べました。
草津線複線化促進期成同盟会の名称変更問題について、8月の理事会で「利用促進に向けた協議会への変更」が県から提案されたものの、沿線首長の反対で総会に諮られなかった経緯を質しました。部長は「JRからの要請でも県独自の判断でもなく、委員提案を受けた検討」と説明し、「複線化という目標を放棄するものではない」としました。
さらに、リニア新幹線の亀山駅設置を見据え、草津線から亀山駅への直通乗入れをJRに要望すべきだと提案。知事も「三重県との連携は可能性がある。考えてみたい」と前向きに応じました。
びわこ京阪奈線建設構想については「コロナ禍で休眠状態」であることを確認し、県のリーダーシップを求めました。
感想
今回の質疑で浮かび上がったのは、交通税に対する左右からの挟撃です。共産党は「増税ではなく大型事業の見直しで財源を確保せよ」と言い、自民党の小河議員も「交通税ありきではないという姿勢には賛成」としつつも、「税制審議会と連携というのは、交通税前提という布石と取られないか」と懸念を示しました。立場は違えど、「交通税は慎重に」という点では一致しています。
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交通税の導入に反対する署名活動を行っています。県民の声を届けるため、ぜひご協力をお願いいたします。
滋賀県減税会

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