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【交通税と県議会の攻防・第17回】アンケートの偏りと議会の不信

アンケートの偏りと議会の不信


今回のポイント

 

令和5年6月定例会議で、桑野仁議員(自民党)は代表質問の冒頭、交通税について「二元代表制の一翼を担う議会に対してその内容が明確に示されていない」と苦言を呈しました。県民との対話を掲げながら、議会には十分な情報が示されていない。この指摘は、交通税推進のプロセスそのものへの不信を象徴しています。

 

そして9月の土木交通常任委員会では、交通ビジョン策定のためのアンケートが集中砲火を浴びました。柴田栄一委員(滋賀維新の会)は、負担の許容額を示すグラフに「負担したくない」という選択肢の結果が反映されていないことを指摘し、「バイアスがかかってしまう」「見せ方について公平にしてほしい」と求めました。

 

田中松太郎副委員長も「50円の選択肢があれば、それが1番になったかもしれない」とアンケート設計そのものの恣意性を問題視しました。


海東英和委員長(自民党)は、議論を締めくくるにあたり「交通税ありきで、誘導するようなアンケート調査にならないように」と釘を刺しています。委員長自らが公式にこの懸念を表明したことの意味は重いです。



交通税議論のまとめ



6月定例会議・本会議(6月27日)


桑野仁議員(自民党)は代表質問で交通税に言及し、税制審議会の答申内容を整理した上で、「知事は県民との対話による公論熟議を積み重ねると言うが、議会に対してはその内容が明確に示されていない」と批判しました。「早急に全容を明らかにしていただくよう苦言を呈する」と述べ、議会軽視への警告を発しました。これは質問ではなく意見表明であったため、知事からの回答はありませんでした。


土木交通・警察・企業常任委員会(9月13日)


柴田栄一委員(滋賀維新の会)は、交通税とビジョンの関係性を質した上で、アンケート結果の「負担に対しての許容額」のグラフについて、負担したくないと答えた人がどれだけいるのかが反映されていないと指摘しました。「このグラフの見せ方ではバイアスがかかる」「最終集計では見せ方について公平にしてほしい」と求めました。

 

田中松太郎副委員長は、許容額の選択肢の設定自体に問題があると指摘。「50円の選択肢があればそれが1番になったかもしれないし、300円を一番安い金額にすれば年額3,600円が1位になったかもしれない」と述べ、アンケート設計の恣意性を問いました。また、ビッグデータや人流データなど科学的な分析の必要性を訴え、「現在の公共交通をどう守るかという継続の視点で、いかに税金を使うかという部分に注力し過ぎている」と、議論の方向性自体を問い直しました。さらに関西MaaSアプリに滋賀県の事業者がほとんど参加していない実態を挙げ、「滋賀県だけガラパゴス化している」と危機感を示しました。

 

谷口典隆委員(自民党)は「交通税に直接結びつけることはいかがなものか」と発言し、人口減少で高齢者が多い地域にこそ公共交通が必要だという視点でビジョンを策定すべきだと求めました。


清水鉄次委員は、市町へのバス補助金の現状を確認し、県の補助総額が2億5,800万円であること、増額したいが現状維持に努力している状況であることが明らかになりました。

海東英和委員長(自民党)は最後に「交通税ありきで、誘導するようなアンケート調査にならないように」と要望し、新しい技術や民間活力の活用など英知を結集してビジョン策定に取り組むよう求めました。



県側の答弁のまとめ


土木交通常任委員会(9月13日)

 

越後土木交通部管理監は、交通税とビジョンの関係について「交通税を前提にアンケートをしているのではない」「経費負担の在り方の一つとして交通税もあると理解している」と説明しました。

 

アンケートの偏りについては、「負担したくない方もいらっしゃると思う」と認め、「偏った整理の仕方であると疑いを持たれないよう気をつけたい」と答えました。

バス補助については、「増額したいとの思いはあるが、現状確保に努力している状況」と率直に認めました。平松理事は、国の法律改正で新たな支援メニューが出てくることを踏まえ、全体の予算規模が増えるよう努力すると述べました。


関西MaaSについては、参加している滋賀県の事業者は57事業者中わずか3社(京阪バス、琵琶湖汽船、江若交通)にとどまっていることが明らかになりました。



感想

今回浮かび上がったのは、アンケートの設計と見せ方に対する議会の根深い不信です。「負担したくない」という回答がグラフに反映されていない、選択肢の設定で結果が誘導される。これは第12回でも取り上げた県民アンケートの誘導性の問題と根が同じです(アンケートの問題点についてはこちら)。

 

委員長自らが「交通税ありきの誘導にならないように」と公式に発言したことは、議会全体として県の姿勢に疑念を抱いていることの表れです。桑野議員が「議会に内容が明確に示されていない」と苦言を呈したことも合わせると、県民だけでなく議会からも、情報公開と公正なプロセスが求められていることが分かります。

 

田中副委員長が指摘した関西MaaSへの不参加も深刻です。交通税という新たな負担を議論する前に、既存のデジタルインフラへの参加すらできていない。民間の技術革新に乗り遅れたまま、税金で旧来型の交通を維持しようとする姿勢こそ、見直されるべきではないでしょうか。

 


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滋賀県減税会

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