【交通税と県議会の攻防・第16回】「誰もが行きたい時に行きたいところへ」は「絵に描いた餅」スローガン 令和5年6月
- 喜多G13

- 4月22日
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今回のポイント
令和5年6月の公共交通特別委員会で、交通ビジョンの根幹が厳しく問われました。
岩佐弘明委員(自民党)は、ビジョンの掲げる「誰もが、行きたいときに、行きたいところに移動ができる」という目標に対し、「理想はいいけれども、現実は無理ではないか」「なぜ今まで絵に描いた餅のタイトルでビジョン策定をしてきたのか」と正面から切り込みました。県側は「意気込みと考えていただければ」と苦しい弁明に追われます。
続く周防清二委員(自民党)も、地域ごとのサービス水準を一律に設定する試算を「架空」「空論」と断じ、「空気を運んでいると非難されている」現状を指摘。「もし動けなくなったらタクシーを呼ぶべき」「乗る人のターゲットをもっと絞るべき」と、市場原理に近い視点から実効性のある交通政策を求めました。
「何十億円も捻出できるのか」という岩佐委員の問いかけは、交通税の議論が現実離れした前提の上に立っていることを浮き彫りにしています。
交通税議論のまとめ
公共交通・国スポ・障スポ大会対策特別委員会(6月9日)
冨波義明副委員長は、JR西日本が野洲駅で連結バスの実証実験を行っていることに触れ、JRが鉄道からバスへの転換を視野に入れているのではないかと問題提起しました。県の交通戦略とJRの思惑が合致しているのかを問い、「まだまだ乖離しているように思う」と指摘しました。
岩佐弘明委員(自民党)は、ビジョンの「誰もが行きたいときに行きたいところに移動ができる」という目標を「絵に描いた餅」と批判。「東京のど真ん中であれだけ地下鉄が走っていても不足だと思う人はいる」と述べ、不満度64.7%をどこまで下げるかといった現実的な数値目標を設定すべきだと求めました。さらに「これから税の話をするときに、最低でも50億円、60億円かかるというのはどうか」と、費用試算の現実性にも疑問を呈しました。
周防清二委員(自民党)は、地域を4分類して一律にサービス水準を設定する手法を「かなり現実にそぐわない空論」と断じました。郊外在住の実感として「自分の車で行くのが一番早い」「動けなくなったらタクシーを呼ぶべき」と述べ、「乗る人のターゲットを絞って分類したほうがいい」と提言。バスが「空気を運んでいる」と非難される現状を踏まえ、デマンド交通やICOCA導入など具体的で効果的な施策を優先すべきだと求めました。
節木三千代委員(日本共産党)は、路線バスの運転手不足と経営の厳しさを訴え、「公の財源がなければ今の枠組みでは維持できない」「国が制度の枠組みを実態に合わせて検討すべき」と、国の財政負担拡大を求めました。
知事や県側その他の答弁のまとめ
公共交通特別委員会(6月9日)
越後土木交通部管理監は、ビジョンの目標について「意気込みと考えていただければ」と述べ、事実上、実現困難であることを認めました。「無理だという御意見も踏まえながら策定に努めたい」とも答えています。
平松土木交通部理事は、「全てを交通税で求めるものでは一切ない」と強調し、国の支援や事業者の努力も含めて財源を考えていくと説明。また、「自家用車を使えない人や使えないときに移動ができることを目標にしている」と、ビジョンの対象を限定的に説明し直しました。
JR西日本の連結バス実験については、越後管理監が「鉄道の代替として考えているという話は伺っていない」と答弁しましたが、県の交通戦略とJRの経営判断の乖離については明確な回答を示せませんでした。
近江鉄道のICOCA導入については「問題意識は持っている」としつつ、「かなり経費がかかる」として実現可能性は未確定としました。(その後、導入されました)
感想
「意気込み」で何十億円もの費用試算を出し、その財源として交通税を議論する。これがいかに危うい構図であるか、今回の委員会は明らかにしました。
岩佐委員の「絵に描いた餅」という表現は的確です。実現不可能な理想を掲げ、その実現費用を試算し、足りない分を新税で埋める。この論法なら、どんな理想でも増税の根拠にできてしまいます。周防委員が指摘したように、「空気を運んでいる」バスの現実を直視し、ターゲットを絞った効率的な施策に転換すべきです。
県側が「全てを交通税で求めるものではない」と繰り返すのは、逆に言えば、交通税が「一部」として組み込まれることは既定路線だということです。しかし、その前提となるビジョン自体が「意気込み」に過ぎないと県自身が認めている。土台が揺らいでいるのに、その上に税の議論を積み上げることは、県民への説明責任を果たしているとは言えません。
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交通税の導入に反対する署名活動を行っています。県民の声を届けるため、ぜひご協力をお願いいたします。
滋賀県減税会


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