【交通税と県議会の攻防・第24回】財政危機と行政の経営感覚 | 令和6年3月委員会
- 喜多G13

- 3 日前
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今回のポイント
令和6年3月、二つの委員会で交通税の議論に直結する重要な質疑が交わされました。
土木交通常任委員会では、谷口典隆委員(自民党)が交通ビジョンにおける交通税の扱いについて「ジャブを繰り出しているようにしか思えない」と痛烈に批判。「交通税がある社会、ない社会を分かるように具体的に示してほしい」と求めました。
そして行財政・防災危機管理対策特別委員会では、県の財政収支見通しが議題となり、財政調整基金が令和10年から12年にかけて枯渇の危機にあることが示されました。この場で菅沼利紀委員は「財政健全化の数字が示されない中で、交通ビジョンと税制度の議論ができるのか心配」と述べ、交通税と県財政全体の議論をセットで行うべきだと求めました。
さらに同委員会では、目片信悟委員(自民党)が「県庁職員は債務に対して傍観者」「できない理由ではなくどうしたらできるかを考えよ」と行政の経営感覚の欠如を厳しく指摘。海東英和委員(自民党)も「内部で議論しても全く変わらない」「外部の視点が必要」と述べ、行政評価の形骸化を問題視しました。
交通税議論のまとめ
土木交通・警察・企業常任委員会(3月7日)
谷口典隆委員(自民党)は、交通ビジョン案の説明で「交通税があればどのような社会になるのか」という表現が使われていることに対し、「このビジョンの中で提示されているのか。交通税というジャブを繰り出しているようにしか思えない」と批判しました。「言葉遊びではなく、交通弱者の移動手段がこう確保できるというところに具体的に踏み込んで初めて県民に示せる」と述べ、交通税がある場合とない場合の比較を具体的に提示するよう求めました。
越後管理監は「ビジョンは財源を特定した内容にはなっていない」「現状維持でも年間25億円、目指す姿では百数十億円かかる」と説明。「交通税を前提ということではなく、あればどこまでできるか、なくてもどこまでできるか、いろいろな選択肢も含めて地域ごとに取り組みたい」と答弁しました。
海東英和委員長(自民党)は、近江鉄道の経費がこの試算に含まれているかを確認し、含まれていることが明らかになりました。
行財政・防災危機管理対策特別委員会(3月13日)
菅沼利紀委員は、財政調整基金が令和10年から12年に厳しくなる見通しの中で「財政健全化の取組がどれだけ数字として貢献できたかが示されない中で、交通ビジョンと税制度を含めた議論ができるのか非常に心配」と述べました。
橋本税政課長は「今の財政状況の中でどう財源を生み出すかが命題」「施策と財源を一体的に議論していく」と答弁。棚橋財政課長は「交通分野以外の分野についても様々な検証をし、ばらばらの議論にならないよう留意したい」としました。
目片信悟委員(自民党)は、県有財産の活用について「民間との大きな違いは、皆さんが債務に対して傍観者であること」と厳しく指摘。「県庁前にキッチンカーが来る際にも様々な注文をつけていた。ブレーキを踏むような傾向がある。まずはブレーキを離してほしい」と述べました。さらに「1件で500万円増えれば、10件で5,000万円、100件で5億円。そういう積み上げが必要」と、歳入確保の具体的な姿勢を求めました。
また、県職員を金融機関の審査部に2年程度派遣し、融資審査のスキルを学ばせるべきだと提案。「予算編成時に審査するが決算までしっかり見ないといけない。終わってそれで終了では商売人の感覚と違う」と述べました。
海東英和委員(自民党)は「内部で議論しても全く変わらない」と断言。行政評価や事業仕分けの取組が「いつの間にか消えた」と指摘し、外部の視点の導入を求めました。さらに教育分野で1,000億円を超える教員人件費に対し全国学力調査の結果が最下位に近い状態が続いていることや、MLGs・琵琶湖クレジットなど独自の指標にこだわることで全国共通の土俵で勝負しない姿勢を「正しく自己評価できない構造を強めている」と批判しました。
大野和三郎委員は、全職員の机に地方自治法第2条14項(最小の経費で最大の効果)や地方公務員法の服務規定を貼り付けることを提案しました。
九里学委員(チームしが)は、外部監査や広聴会が近年実施できていないことを確認し、「以前あった事業の値札化、見える化がいつの間にかなくなった。あれはよいことだった」と指摘しました。
感想
今回の二つの委員会から見えてくるのは、交通税の議論以前に、県の行財政運営そのものへの深い不信です。
谷口委員の「ジャブを繰り出しているだけ」という表現は、交通税の議論が具体性を欠いたまま「交通税」という言葉だけが繰り返されている現状を的確に捉えています。「ある社会とない社会を具体的に示せ」という要求に、県が応えられていないのが実情です。
菅沼委員が突いた「財政全体の中での位置づけ」も核心です。財政調整基金が枯渇に向かう中で新税を議論するなら、既存事業の見直し結果を数字で示すのが先です。目片委員が「できない理由ではなくどうしたらできるかを考えよ」と迫り、海東委員が「内部で議論しても変わらない」と断じたのは、行政の経営感覚の欠如そのものへの批判です。
九里議員はこれまで交通税について推進する立場の意見を述べられていたのですが、この事業評価について言及してくださったのは有難いと思いました。
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交通税の導入に反対する署名活動を行っています。県民の声を届けるため、ぜひご協力をお願いいたします。



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