事務事業評価とは?
自治体では、福祉、医療、土木交通、環境、都市計画など
市民の暮らしに関係した100~600以上もの事業を行っています。
ですが、その事業の中には
「思ったほど効果が出なかった」
と思うような事業もあるでしょうし、
「市民の反応が良くて、今後も続けていくべきと感じた」
「今年はまだ成果を感じられていないが、
年単位で効果を図り、継続して行うべきだ」
と評価される事業もあるはずで、事業ごとに成果を図り、継続や停止を検討した結果を記録として残します。事務事業評価表は、県や市区町村で行っている事務事業を住民に説明するための評価表のことです。
各自治体が行政評価コンサルタントに依頼して作成しているところが多いそうです。
事務事業評価票には何が記載されている?
具体的には、行政の行う施策について5W1H+E(expenses、経費)で評価します。
つまりは、
「どの期間、誰が、何を、誰に対して、
どういう意図・目的で、
どのくらいの経費をかけて行ったか」を、
事業分野ごとに区分して、一つずつ事業を説明したものです。
議員や市民、政治団体はこれにより、行政の施策と効果を把握することが出来ます。
例えば東近江市なら画像の通り。
この評価表が事業ごとに存在しているはずなのです。
皆さんの地域にはありますか?
「自治体名(大津市など)」+「事務事業評価」
でGoogle検索すると、事務事業評価を行っている自治体であればおそらくは出てまいります。行政評価と言う名前の場合もあります。
ですがこの事務事業評価・・・
自治体によって質がバラバラなのです。
政治アナリストの渡瀬裕哉氏は、「事務事業評価表」の評価を以下の通りで区分されています。
①腐敗(事務事業評価公開無し)
②臭いものに蓋(事務事業評価の部分公開)
③役人仕事(事業費のみ公開、無意味な成果指標)
④最低限の仕事(事業に人件費紐づけ、妥当な成果指標)
⑤給料払っても良いレベル(上位の政策との妥当な関連性がある事業評価)
行政評価制度は平成7年度に三重県が事務事業評価を導入して以来、全国に広まったものですが、20年以上が経過し、残念ながら取り組みを止めたり公開情報の質が落ちたりした自治体も多く、そもそも事務事業評価が公開されていない①の自治体もあれば、②~③程度の自治体あります。
東近江市は③ではないかと思われますが、滋賀県はなんと②です。
事務事業評価の部分公開しかない上に、人件費の紐づけがなく、妥当な成果指標による評価ではありません。
相当適当な事務事業評価で市民目線での情報公開とはなっていません。
私は、すべてが公開されていないだけでデータ自体は存在しているかもしれないと思い(そういう自治体もございます)、情報公開請求を行いましたが、「該当の情報がない」という残念な結果となりました。
こちらを見てみてください。八王子市の事務事業評価評価表です。
大津市とも滋賀県のものとも全然違うのが解ります。
良い事務事業評価票とは?
①事務事業評価条例がある②全事務事業が評価 ③上位の政策・施策との関連の記載④事業目的と内容の相違度など検証・評価の記載⑤成果指数の評価⑥事業費用の公開度(経費、人件費、財源))⑦市民への公開⑧事業を始めたきっかけの記載⑨根拠法令の記載
※これ以前に滋賀県は事務事業評価を全事業に行っていない
手間暇かかる上に議員や一般市民からの指摘を受ける要因にもなる事務事業評価を改善・導入するとなると、それに対する自治体の抵抗はあるかと思いますが、行政の事業は行政の役割を市民からお金を預かって行う「サービス」です。
税金と言う形でお金を出している市民の目線での意味のある事務事業評価の公開は住民への説明責任として、どのように税金が使われ事業が行われているかを把握できる質の高い事務事業評価票や経費の公開は、「生活者起点の行政運営」のために必要不可欠なものと思っております。
そのため、私共は、滋賀県や県内の市区町村には県民が行政事業を正しく把握できるように、以下の実現のために県に働きかけて参りたいと思います。
すべての事務事業評価の公開(経費、人件費、法令義務の有無)
1円以上の随意契約と入札結果の公表(Excelにて)
補助金一覧(支給額、条件、予算)の公開
追伸
事務事業評価票の公開が無かった市区町村の方へ
まずは自治体のお問合せフォームから意見を送ってみましょう!
Коментарі