【交通税と県議会の攻防・第23回】予算審議に見る補助金の現実と夢の構想 | 令和6年3月 予算特別委員会
- 喜多G13

- 4月23日
- 読了時間: 4分

今回のポイント
令和6年3月の予算特別委員会で、交通関連予算の審議が行われました。今回は激しい対立というよりも、交通税の議論を取り巻く「数字の現実」と「構想の大きさ」のギャップが浮き彫りになった回です。
まず現実の数字です。コミュニティバス等運行対策費補助金は、18市町に対して約2億653万円。これが県の地域交通支援の柱です。一方で、バス事業者は2024年問題による運転手不足、燃料高騰、利用者減少という三重苦に直面しています。
そして構想のほうです。今江政彦委員(チームしが)は、アメリカ・ポートランドの交通機関「トライメット」やドイツの「シュタットベルケ」を引き合いに出し、「公共交通だけを担う行政体」の検討を提案しました。知事も「海外の事例を研究したい」と応じ、近江八幡駅前から八幡山まで路面電車を走らせる過去の知事の構想にまで話が及びました。
交通税議論のまとめ
予算特別委員会(3月4日)
井狩辰也委員(自民党)は、知事が年頭に掲げた「公共交通の充実、活性化による健康まちづくり」を受け、交通関連予算について質問しました。
コミュニティバス等運行対策費補助金の実績として、今年度18市町に対し約2億653万円の執行見込みであることが確認されました。課題として、2024年問題等による運転手不足、燃料高騰による運行コスト増大、コロナ禍を経た利用者減少が挙げられ、バス事業の経営環境は「より厳しさを増している」と平松理事が答弁しました。
これに対し県は、新規事業として「バス生産性向上運転手確保事業」を計上。企画券の販売等利用促進、バス停のデジタル化、運転手育成、就職イベント参加への支援を行うとしています。
井狩委員は「農山村部ではますます人口減少が加速する。民間経営でニーズを満たすことは難しい」と述べ、交通弱者にとってのバス路線維持の重要性を強調しました。
今江政彦委員(チームしが)は、「滋賀の公共交通未来アイデア会議」の予算2,100万円について質問。令和6年度は県内を6つのエリアに分けてワークショップを立ち上げ、全県フォーラムも開催する計画が示されました。
今江委員は、アイデア会議と税制審議会の関係を質問。三和土木交通部長は「アイデア会議で施策と費用を検討し、並行して行われる税制審議会の議論を踏まえながら、交通税も選択肢の一つとして丁寧に議論を積み重ねる」と答弁しました。今江委員は「税だけが先行してもいけない。税制審議会とアイデア会議の情報共有、議論の共有をしっかりやってほしい」と要望しています。
さらに今江委員は、ポートランドの交通政策を紹介。公共交通サービスだけを担う特別行政機関「トライメット」の仕組みに触れ、「日本にも一部事務組合などの制度があるので検討の余地がある」と提案しました。知事も「近江鉄道線管理機構の事例も踏まえながら、ポートランドのトライメットやドイツのシュタットベルケなど海外事例を研究したい」と応じました。
最後に今江委員は、知事が過去に近江八幡駅前から八幡山まで路面電車を走らせる構想を語った逸話を紹介し、アイデア会議での活発な議論を期待するとして質疑を締めくくりました。
答弁のまとめ
予算特別委員会(3月4日)
三和土木交通部長は、地域交通について「単なる移動手段のみならず、福祉や教育、健康、地域の活性化、経済活動、CO2ネットゼロ社会の実現に欠かすことのできない基盤」と位置づけ、来年度から「地域交通計画の策定に取り組む」と述べました。
平松理事は、アイデア会議と法定協議会の関係について「アイデア会議は広く県民と議論を行う活動そのもの。法定協議会はアイデア会議の議論を踏まえビジョンの実行計画を策定する場」と整理しました。エリア分けが4つから6つに変わった理由については「より住民の実感に合う議論ができるよう、生活圏や交通軸を基に分けた」と説明しています。
知事は、ポートランドの事例について「公共交通の利便性を高めるため積極的に投資を行い、自家用車以外の選択肢を提示することで都市の魅力を高める取組は、本県にとって参考になる」と評価。公共交通を担う組織体制についても「最適な在り方を絶えず検討していくことが必要」と応じました。
感想
今回の予算審議で明らかになったのは、交通税の議論を支える「数字の現実」の厳しさです。
コミュニティバスへの県の補助金は年間約2億円。これは県の一般会計予算の0.03%程度に過ぎません。しかも「増額したいが現状維持」の状態です。一方で、県はポートランドのトライメットやドイツのシュタットベルケを参考にすると言い、路面電車の構想まで語る。この落差は、交通税の議論が地に足のついた議論なのか、それとも夢物語の域を出ないのかという疑問を投げかけます。
署名にご協力ください
交通税の導入に反対する署名活動を行っています。県民の声を届けるため、ぜひご協力をお願いいたします。


コメント