【交通税と県議会の攻防・第18回】自助・共助・公助と導入前提の本音 令和5年9月
- 喜多G13

- 4 日前
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今回のポイント
令和5年9月定例会議で、本田秀樹議員(自民党)が代表質問に立ち、交通ビジョンと交通税について多角的な質問を展開しました。
最も注目すべきは、本田議員が地域交通に「自助・共助・公助」の枠組みを持ち込んだことです。「県民全ての個に順応すべく地域交通の在り方を考えれば、公の果たすべき負担は限りないものになる」と述べ、災害対策と同じように、まず自助と共助を位置づけた上で公助の範囲を限定すべきだと問いかけました。
そして、知事が東京の講演で「任期中には困難」と発言したことについて、「この発言から、既に導入が前提であることを感じる」と核心を突きました。知事は「導入を決めているわけではない」と否定しつつも、「逃げずに議論をし、例えば交通税のようなものがあればどういう社会になるのかを示して信を問う」と答弁。「導入が前提ではない」と言いながら「任期中に完了は困難」と語る矛盾が、改めて浮き彫りになりました。
また、アンケートの対象者についても「何らかの交通手段がある方に偏っているのではないか」「本当に困っている方や不満を持っている県民の声を反映するビジョンに」と、合意形成プロセスの偏りを指摘しています。
交通税議論のまとめ
9月定例会議・本会議(9月25日)
本田秀樹議員(自民党)は代表質問で、交通ビジョンについて6項目にわたる質問を行いました。
まず、2040年代の将来像について、空飛ぶクルマなどの新技術を踏まえた交通手段の変化をどう描くのかを問いました。
次に、地域交通の範囲について、滋賀県内だけで完結するのではなく、北陸新幹線やリニア新幹線の整備により「滋賀を迂回して行ける交通環境」が生まれることを指摘。「これまでの結節点ではなくなる」と危機感を示し、周辺自治体との歩調を合わせた広域ビジョンの必要性を訴えました。
交通政策における「自助・共助・公助」の考え方について、「隣同士が、自治会や地域が人の移動を助け合うシステムを構築してはどうか」と提案し、公助だけに頼らない地域交通の在り方をビジョンに盛り込むよう求めました。
アンケートについては、「調査場所や対象者を見ると、何らかの交通手段がある方に偏っているのではないか」と指摘し、「本当に困っている方や不満を持っている県民の声を反映するビジョンに」と要望しました。
交通税については、「ビジョンの議論が始まったときから、どんな交通サービスになるかも分からない段階で負担という話が出た」「これまで県のビジョンや計画で全体事業費を示していない状況で、いきなり負担ということに多くの皆さんも戸惑っている」と率直に述べました。さらに、知事が東京の講演で「任期中には困難」と発言したことについて、「既に導入が前提であることを感じる」と追及しました。
知事や県側その他の答弁のまとめ
9月定例会議(9月25日)
三日月知事は、2040年代の将来像について、人口が約130万人に減少し、65歳以上の割合が33%に達する見込みを示し、自動運転やマッチングシステムなど新技術の社会実装を活用した交通ネットワークの構築が必要だと述べました。
地域交通の範囲については、鉄道、バス、タクシーだけでなく「自転車、カーシェアなど地域に存在するあらゆる移動手段を含めて地域交通と捉えている」と広く定義。その役割は「単なる移動手段のみならず、地域の活性化、福祉、教育、健康、CO2ネットゼロ社会の実現などに欠かすことのできない基盤」だとしました。
共助については、病院送迎サービスの買物利用への活用や、宿泊施設の送迎を活用した児童クラブのお出かけ支援など、分野横断的な実証運行の取組を紹介しました。自治会等が運営主体となったバス運行や自家用車を活用した移動支援の事例も収集し、ビジョンに反映するとしました。
「任期中には困難」発言については、「全て制度を整え、条例改正をし、税を徴収し始めることまでをこの3期目に達成することは困難という趣旨」と説明。「現時点で導入を決めているわけではない」としつつも、「逃げずに議論をし、例えば交通税のようなものがあればどういう社会になるのかを示して、皆様に信を問うていきたい」と述べました。
ビジョンは来年度(令和6年度)中の策定を目指すとし、「対話を続けながら最新の状況も取り入れていけるよう柔軟に対応する」としました。
感想
本田議員が持ち込んだ「自助・共助・公助」の枠組みは、交通税の議論にとって根本的な問いかけです。公助の範囲を先に限定し、その上でどうしても足りない部分だけを税で賄う。この順序を踏まえずに「理想の交通」を先に描き、その費用を全て公的に負担する前提で交通税を論じるのは、まさに順序が逆です。
知事の答弁にも矛盾が見えます。「導入を決めているわけではない」と言いながら、「任期中に徴収開始は困難」と語る。決めていないなら「困難」という言葉は出てこないはずです。本田議員が「導入が前提であることを感じる」と指摘したのは、この矛盾を正確に捉えたものです。
また、知事が地域交通の役割を「活性化、福祉、教育、健康、CO2ネットゼロ」とあらゆる分野に広げたことも気がかりです。交通に全てを背負わせれば、必要な費用は際限なく膨らみます。それは結局、交通税の増額を正当化する論理につながりかねません。まず交通の範囲を絞り、民間と共助で担える部分を明確にし、その上で最小限の公助を議論する。その原則なくして、県民の納得は得られないでしょう。
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交通税の導入に反対する署名活動を行っています。県民の声を届けるため、ぜひご協力をお願いいたします。



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