top of page

【交通税と県議会の攻防・第12回】増税容認誘導のあるアンフェアな県民調査 令和4年11月①

【交通税と県議会の攻防・第12回】増税誘導とアンフェアな県民調査 令和4年11月①
ハイ出ました!すごい誘導文!!

今回のポイント


令和4年の11月県議会では、交通税をめぐって対照的な二つの質疑が行われました。一方はチームしがの九里学議員による交通税推進の立場からの質問、もう一方は松本利寛議員(日本共産党)による県民アンケートの公正性への厳しい批判です。

 

注目すべきは、松本議員が県民アンケートを「交通税導入を前提にした極めて意図的な調査」と指摘したことです。さらに「国の財政負担の責務を免責する流れをつくりかねない」と、交通税の全国波及リスクにまで踏み込みました。知事は「誘導ではない」と否定しつつも、「参加型税制」の旗は降ろさず、地方から議論を提起する意義を繰り返し強調しました。

 

「増税ありき」を問う声が議場に響いた重要な回です。

令和 4年11月定例会議(第17号~第23号)-12月12日-06号



知事の答弁のまとめ


三日月知事の答弁を整理すると、主に以下の内容でした。


交通ビジョンについては、令和4年度から5年度にかけて県民や事業者と「公論熟議」を重ね、地域交通政策の理念、目指す交通の姿、地域ごとの交通サービス水準の設定、各主体の責務の整理等を盛り込み、年度内に骨子を組み立てるとしました。財源については「例えば交通税という新たな選択肢も含め」議論するとの表現に留めています。

交通税の導入決意を問われた場面では、県民アンケートや懇話会を通じて県民の関心を高めたいとし、「受益と負担をめぐる議論を通じて地域の将来像を描く参加型税制の考え方」で丁寧に議論を積み重ねると述べました。

 

一方、松本議員からアンケートの誘導性を問われた際には、「負担の意向の有無を確認するもので、交通税導入への誘導を意図したものではない」と否定。約6割が負担に前向きだったという結果についても「直ちに交通税の導入につながり得るものではない」と慎重な姿勢を見せました。

 

ただし、歳出見直しを先にすべきとの追及に対しては、「毎年、不断にやらせていただいている」としつつ、「それでもなお不足がある場合にどう財源を確保するか」という論法で、新税の議論余地を残し続けました。国の財政負担を求めるべきとの主張に対しては、国への要請は続けるとしながらも、「国の議論が行われない場合に地方から議論を提起していくことも重要」と、あくまで地方主導の姿勢を崩しませんでした。



委員会の交通税議論

令和 4年 9月定例会議(第10号~第16号)-09月26日-02号


九里学議員(チームしが)は、交通事業者との意見交換会で聞いた「企業や業界の自助努力だけでは地域公共交通を維持できる状況にはもうない」という声を紹介し、交通ビジョンの見直し内容と交通税導入への決意を問いました。公共交通を道路や上下水道と同じ社会基盤として位置づけ、全国に先駆けた取組として意義深いとする、推進派の立場からの質問でした。

 

これに対し、松本利寛議員(日本共産党)は全く異なる角度から切り込みました。まず、県が実施した県民アンケートについて「交通税の導入を前提にした極めて意図的な調査」と批判。設問の中に「現在の赤字が続けば公共交通が廃止されるおそれがある」「税が使われれば交通以外のサービスも低下する」といった表現があることを挙げ、「住民の新たな負担が必然かのような設問」であり、増税への誘導だと指摘しました。

 

続けて松本議員は、公共交通維持の第一義的な責任は国にあると主張。フランスでは事業者から交通税を徴収してバス事業に約5,800億円を補填していること、ドイツでは連邦政府が1兆円を超える財政援助を地方に行っていることを挙げ、日本の国の支出はEU諸国と「1桁も2桁も違う」と述べました。そして「県が新税を導入すれば、全国に先駆けて国の財政負担の責務を免責する流れをつくりかねない」と、全国波及のリスクを警告しました。

 

知事は国への要請を続けるとしつつも、「国に求めるだけでなく、自治体として創意工夫で課題解決に取り組むことも自治の観点から重要」と反論。しかし松本議員は最後まで「まずは現在の歳入の中で配分を見直し、公共交通の充実に向ける配分を捻出すべき」と譲りませんでした。

 


感想

今回の議論で最も注目すべきは、松本議員が指摘したアンケートの誘導性の問題です。「公共交通が廃止されるかもしれない」「他のサービスが低下する」という不安を煽る設問で「負担してもよいか」と聞けば、前向きな回答が増えるのは当然です。こうした調査結果を「県民の理解が進んでいる」と読み替えることがあってはなりません。このアンケートの問題点については、当会でも詳しく検証しています(県民アンケートの問題点についてはこちら)。

 

松本議員の「国が負担すべき」という主張自体は、私たち減税会の立場とは異なります。何故なら国税も我々の税金だからです。しかし、「既存の歳出を見直す前に新税を導入するな」「全国に波及すれば国の責任を免責する」という指摘は、まさに私たちが訴えてきたことと重なります。増税ありきの進め方に対し、立場を超えて疑問の声が上がっていたという事実は重要です。

 

知事の「不断の見直しをしている」という答弁も、事務事業評価票すら十分に公開されていない現状では説得力を欠きます。まず情報を開き、無駄を示し、それでも足りないと証明してから財源論に入る。その順序を守ることが、県民への誠実さではないでしょうか。

 

 

署名にご協力ください

交通税の導入に反対する署名活動を行っています。県民の声を届けるため、ぜひご協力をお願いいたします。

コメント


この投稿へのコメントは利用できなくなりました。詳細はサイト所有者にお問い合わせください。
bottom of page