交通税という言葉を消すのも意味不明な三日月知事
- 喜多G13

- 3 時間前
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要約
三日月知事が知事選政策案を公表。公約から「交通税」の言葉は消えましたが「新たな税」として中身は残されています。看板の掛け替えにすぎない新税構想の問題点と、7月の知事選で県民が確認すべき3つの点を解説します。
滋賀県知事選(6月18日告示、7月5日投開票)で4選を目指す現職の三日月大造知事が、5月12日に選挙の政策案を公表しました。公共交通の充実などのために導入を目指す「新たな税」(交通税)についても明記されています。
注目すべきは、その書きぶりです。前回知事選の公約に掲げた「交通税」という言葉は今回は使われず、「移動を支える財源のあり方のさらなる検討を推進」と記載されました。県議会が慎重な検討を求めているため、トーンダウンさせた形だと報じられています。
つまり、看板から「交通税」の四文字が外されただけで、中身はそのまま残っているということです。わたしたちが3年間にわたって反対し続けてきた、あの新税構想です。
「言葉を消す」という手法そのものを問いたい
わたしが今回いちばん引っかかったのは、税の中身ではなく、その見せ方の変化です。
これまで知事は「交通税」という言葉を堂々と掲げて選挙を戦ってこられました。JR西日本での勤務経験がある三日月氏は、2022年に交通税構想を掲げながら知事として3選を果たしています。それ自体は一つの政治姿勢として理解できます。県民は「交通税を掲げる候補」という認識のもとで投票するからです。
ところが今回は、議会から慎重論が出て自民が公約に文句をつけたら言葉だけを引っ込めました。「新たな税」「移動を支える財源」という、輪郭のぼやけた表現に置き換えたのです。
これは県民にとって、かえって判断しづらい状況をつくります。「交通税」と書いてあれば、賛成も反対もはっきり投票で示せます。けれども「移動を支える財源のあり方の検討」と書かれていたら、いったい何に賛成し、何に反対すればよいのか。選挙の争点を意図的にぼかしているように見えます。
それだけ自信がなく、反対されまくってるんだからやめたらいいのに!
「税は安定財源」という言葉に隠れているもの
記者会見での知事の発言も、よく読む必要があります。三日月氏は新たな税について「慎重に考えるが、税は安定財源になる。税という選択肢を排除して、無責任にやることだけを語る政治は慎みたい」と述べました。
この発言には、二つの論理のすり替えが含まれていると考えます。
一つ目は「税=安定財源だから良いもの」という前提です。たしかに行政の側から見れば、毎年自動的に入ってくる税収ほど安定したものはありません。けれども、それは納税者から見れば「毎年自動的に取られ続けるもの」です。安定とは、行政にとっての安定であって、県民にとっての安定ではありません。一度創った税はめったに無くなりません。安定財源という言葉の心地よさに、その重さが隠れています。
二つ目は「税という選択肢を排除する政治は無責任」という言い方です。これは順序が逆です。本来責任ある政治とは、まず既存予算の無駄を洗い出し、事業を見直し、それでも足りない部分を県民に丁寧に説明したうえで負担を求めるものです。先に新税という結論を置いて、それに反対する側を「無責任」と呼ぶのは、議論の入口を塞ぐ言い回しにすぎません。
そもそも、この税はいくらかかるのか
新たな税の金額についても、整理しておきます。滋賀県は今年3月17日、交通税の「機械的試算」を初めて公表し、税収の最小ラインを年3億円に置いた場合、個人の最低課税額の目安は年400円とはじき出しました。
400円と聞くと小さく感じるかもしれません。しかしこれはあくまで最小ラインの試算です。県は地域交通計画の最終年度(2030年度)に28億7000万〜58億円を拠出すると概算しており、ほかの財源でまかなえなければ交通税の導入に傾くとされています。必要額が膨らめば、県民の負担額もそれに連動して膨らみます。「いくらになるか分からない税」を、争点をぼかしたまま、金額を小さく見せて選挙に通そうとしているのが現状です。
交通税反対議員をこれからも応援しましょう
滋賀県減税会は、近江鉄道の赤字補填から始まったこの構想が、いつのまにか「県全体の交通ビジョンを支える財源」へと対象を広げてきた経緯を、ずっと追いかけてきました。県議会が反対の決議を可決し、栗東市議会や守山市議会、長浜市議会も意見書を可決しました。慎重論は決して少数の声ではありません。今回知事が言葉を引っ込めたのも、その積み重ねがあったからだと考えています。
今回も、残念なことに現職が当選するでしょう。
知事が取りやめることはなく、知事の交代もない。
でも、正直選択肢がないに等しい選挙では、いや、選択肢がある選挙だったとしても、公約のすべてをそのままOKとするのは乱暴にも程がありますが、知事は「信任を得た」とすると思います。
県議があれほどおかしいと言い続けているのに知事がかたくなに取り下げない以上、交通税の決着は、滋賀県議会での実際の審議に委ねられることになります。
諦めずに自民党、滋賀維新の会などをはじめとする交通税反対議員をこれからも力強く応援しましょう。


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