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【交通税と県議会の攻防・第34回】プロセスが不適切・「県ばかりが前のめり」との警告 | 令和7年9月 定例会・決算特別委員会

【交通税と県議会の攻防・第34回】プロセスが不適切・「県ばかりが前のめり」との警告 | 令和7年9月 定例会・決算特別委員会

今回のポイント

令和7年9月定例会議と10月の決算特別委員会で、交通税をめぐる議論は「県と市町の役割分担」という根本的な問いに立ち返りました。


海東英和委員(自民党)は決算委員会で「県だけが一所懸命になって、遮二無二交通税になだれ込もうとしているが、市町は全く受け止めが違う。交通税で我々にお金をもらえるのであればイエスという声がほとんど」と、県と市町の温度差を暴露しました。さらに「みんなが負担し合って支える部分については、具体的に対価とサービスが明示されていない中で、暴力的に100円だったらいいなどというアンケートを最初に取ってしまっている始末」と、これまでのプロセスを痛烈に批判しました。


9月定例会議では、中山和行議員(日本共産党)が地方バス補助金の実態を追及。県予算6,500億円に対してバス補助金はわずか約2.5億円(0.038%)であることを示し、2007年の4.3億円の水準に戻すべきだと主張。交通税については「物価高騰で賃金は上がらず年金は下がる中、新たな税負担は県民の理解を得られない」と反対を表明しました。


知事は「考えは同じ」と応じつつも「逃げずに財源のことも考えよう」と繰り返し、中山議員から「逃げずにという言葉は、交通税を導入していくということがあって、ほかの努力もするという順番に聞こえる。交通税は封印してほしい」と返されました。



交通税関連質疑のまとめ

9月定例会議・本会議(9月18日)

中山和行議員(日本共産党)は、地方バス補助金について質問。伊吹土木交通部長は、令和5年度約2.4億円、令和6年度約2.5億円、令和7年度約2.6億円と報告しました。中山議員は「県予算6,500億円の0.038%。2007年には4.3億円あった。せめて行革以前の水準に戻して5億円にすべき」と求めました。部長は「市町からもさらなる補助の増額要望をいただいている。地域交通計画で維持に加え充実に資する施策も、財源の在り方を含め整理したい」と答弁しました。

概算費用148.5億円の内訳について、部長は「現に投入されている公費37.6億円、利用者減少に伴う運賃補填23.8億円、サービス向上に係る費用87.1億円」と説明しました。


税制審議会については、総務部長が6月26日の第25回審議会で「みんなの移動を支え、暮らしを豊かにする新たな税」の在り方を諮問したことを報告。審議会では「新たな税の導入が既に決まっていると誤解されないようにすべき」との意見も出されたことが紹介されました。答申は10月頃の予定です。

知事は「国にも求める。県のやりくりもする。民間にも努力を求める。それでもなお足りない部分をどう賄うかの選択肢の一つとして新たな税を考えた場合どうなるか、逃げずにやりたい」と答弁。中山議員は「逃げずにという言葉は交通税導入が前提に聞こえる。交通税は封印して、ほかの方法で公共交通を守ってほしい」と要望しました。



決算特別委員会(10月29日)

今江政彦委員(チームしが)は、未来アイデア会議の成果と交通税の方向性を確認。小林交通戦略課長は「施策が固まっていない段階で、負担について賛成も反対も両方の意見があった」と報告しました。

海東英和委員(自民党)は、交通ビジョンの進め方について根本的な批判を展開しました。

まず「誰もが行きたいときに行きたいところへ行けるというキャッチフレーズで進められているが、土木交通部は具体的にダイヤをつくってサービスを保障する部。実現可能なビジョンを考えるべき」と指摘。

次に県と市町の関係について「県だけが一所懸命になって、遮二無二交通税になだれ込もうとしているが、市町は全く受け止めが違う。交通税で我々にお金をもらえるのであればイエスという声がほとんど」と述べ、「みんなが負担し合って支える部分について、対価とサービスが明示されていない中で、暴力的に100円だったらいいなどというアンケートを最初に取ってしまっている始末」と痛烈に批判しました。

さらに「オンデマンドやボランティア有償運送など、市町が責任を持って課題解決に取り組んでいるのに、県が頭上から交通税の議論をするのはしっくりこない。自治は下から積み上げていくもの」と述べ、県と市町の役割分担を明確にすべきだと求めました。「148億円が交通政策に充当されたところで、やれることは限られる。介護士不足の地域とバス1本のどちらを支えるかは我々の課題」とも述べています。

加藤土木交通部次長は「両方の意見があると認識している。自治は下から積み上げるもので、市町で考えられたものを県としてどう支えるか。どうしても税が必要ということであれば支援したいが、それが交通税であるかは先の議論」と答弁しました。

谷口典隆委員(自民党)は、近江鉄道の上下分離における県と市町の負担割合(1対1)が10年間の計画で確定していることを確認しました。


感想

海東委員の「市町は交通税で金をもらえるならイエスと言っているだけ」という指摘は衝撃的です。「参加型税制」「公論熟議」と言いながら、実態は県だけが前のめりで、市町は「もらえるなら賛成」という利害関係でしか参加していない。これでは対等な議論とは言えません。


知事が「考えは同じ」と言いながら「逃げずに」を繰り返す姿は、中山議員の指摘通り「交通税導入が前提」と読むのが自然です。

加藤次長の「自治は下から積み上げるもの」「それが交通税であるかは先の議論」という答弁。しかし現実には、県が上からビジョンを描き、概算費用を積み上げ、交通税を提起している。この矛盾を解消しない限り、「県民との対話」は形だけのものに終わるでしょう。



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滋賀県減税会

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