【交通税と県議会の攻防・第11回】議員が突いた「増税ありき」と「市場原理の視点」令和4年7月③
- 喜多G13

- 4月20日
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シリーズ:交通税と県議会の攻防 滋賀県減税会

今回のポイント
今回は、令和4年7月定例会議(8月3日)の松本利寛議員(日本共産党)による一般質問と、7月28日の公共交通・国スポ・障スポ大会対策特別委員会での議論を取り上げます。
注目すべきポイントは以下の通りです。
松本議員(共産党)が税制審議会の答申を「初めから課税ありき、増税ありきの答申」と批判したこと。
松本議員が「まず現在の税財源配分の見直しからスタートすべき」と指摘し、道路予算(2.1兆円)と鉄道予算(1,000億円)の21倍の格差を示したこと。
知事が「財源保障は国の責務」という主張に対し「半分共有する」と答弁したこと。前回の質疑でも同じ表現を使っており、定型化した回答になっていること。
特別委員会で目片信悟委員(自民党)が「誰も乗らないものをどう支えるのか」と市場原理の視点から問いかけたこと。
交通税議論の概要
松本議員の質疑──「増税ありき」への批判
松本議員(共産党)は、2020年12月議会に続いて交通税反対の立場から質疑を行いました。主な論点は以下の通りです。
税財源配分の見直しが先: 関西大学の宇都宮教授がドイツの事例として「道路財源を11%削減し、公共交通予算を41%拡大した」と報告したことを引き、「本来、財源を議論するに当たっては、まず今いただいている税金をどう配分するか、その見直しからスタートすべき」と主張しました。
国の予算配分の問題: 2022年度の国の当初予算で道路予算が2兆1,000億円に対し、鉄道予算は1,000億円余り。しかも鉄道予算のほとんどが整備新幹線向けで、地域公共交通の再生活性化予算は206億円に減らされていると指摘しました。
「全国への先鞭」への警告: 「この声を無視して答申の方向に突き進めば、全国共通の公共交通に対する国の責務を曖昧にしたまま、地方にその財源負担を転嫁し、押しつける先鞭をつくることになりかねない」と警告しました。
知事の答弁のまとめ
松本議員への答弁
松本議員は共産党の立場から交通税に反対しましたが、その論点は「国の責任を明確にし、既存の税財源配分を見直すべき」というものでした。
知事は「半分共有する」という前回と同じ表現を繰り返し、国に財源確保を求めることの必要性は認めつつも、次のように答弁しました。
「この間、財源論が置き去りにされてきた。それでも引き続き国に求める、事業者に求める、これもやっていく。ただ、それが十分じゃない中で、もう1つの選択肢を地方自治体としても県民と一緒に持つことも必要ではないか」
「税に負担を求める場合、それは慎重であるべき。ビジョンづくりをやり、そのビジョンを実現するための財源を例えば交通税に求めた場合、どのような地域がつくられるのかを、今後しっかりと議論していきたい」
知事は「丁寧に議論を進めていく」と繰り返す一方で、「道路には道路のニーズもあり、たくさんの御要望もいただく」と述べ、既存予算の配分見直しには消極的な姿勢を見せました。
特別委員会での議論──市場原理の視点
7月28日の特別委員会では、滋賀県都市計画基本方針の議論の中で、交通税に関連する議論がありました。
本田秀樹委員(自民党)が交通税と市町の関係について質問し、税政課長は「市町の支援に使われることは当然あり得る」と答弁しました。
目片信悟委員(自民党)は「行政が計画を策定しても、実際に動くのは市場原理」「誰も乗らないものをどう支えるのか。乗ってもらうためにはどうしたらいいのか」と、市場原理の視点を提起しました。
渡辺土木交通部管理監は「これまでの交通施策は、行政目線あるいは事業者目線でやり過ぎていたと反省しており、今回のビジョン策定に当たっては、しっかりと利用者目線で検討してまいりたい」と述べました。
感想
知事が「半分共有する」を繰り返しながらも既存予算の配分見直しに踏み込まないのは、国への遠慮なのか、それとも「交通税ありき」で議論を進めたいからなのか。少なくとも、増税を検討する前に、今ある予算をどう使い直すかの議論が先であるべきです。
特別委員会で目片委員が述べた「誰も乗らないものをどう支えるのか」という問いは、交通税議論の核心を突いています。利用者がいない路線を税金で支え続けることが本当に県民の利益になるのか、冷静な検証が必要です。
これを書きながら、令和7年12月の交通フォーラムで登壇されたT教授が、参加者から投稿された「市場原理も大事」という言葉を聞いて、壇上から参加者を叱り飛ばしてきたことを思い出していました。
参加型税制=参加はさせるけど、話は聞かないし、話に回答しても本質をずらしてるし、なんなら叱り飛ばすことすらある税制ですね。
そして、本当に初期から「増税ありき」と言われているのによく「ありきではない」と言えるものですね。

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