大津市の宿泊税は本当に必要か ー事業者アンケートに表れた反対の声と増税の問題点
- 喜多G13

- 2 日前
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宿泊税について「観光地として選ばれ続けるための税だ」と繰り返し説明する必要がある、と委員が述べたと報じられています。しかしこの説明の仕方そのものに、根本的な問題があります。
税の必要性を「丁寧に説明する必要がある」という段階で議論が止まっていること自体、この税に確たる根拠がないことを示しています。本当に必要な税であれば、事業者に説明して納得を得る前に、まず「その財源がなければ何ができないのか」が明確なはずです。魅力向上や情報発信の強化という用途は、どれも既存の観光予算で取り組むべき通常業務であり、新税を立てなければ実行できないものではありません。
そもそもこの委員会自体が「導入推進派」の委員ばかり。交通税と同じです。
委員会も導入を絶対とし、どのようにすれば導入できるかを議論しているような印象です。
宿泊税事業者アンケートの中身
導入の是非を尋ねる設問がなかったにもかかわらず、自由記述に寄せられた意見の多くが懸念や反対だったという点は重視すべきです。設問で誘導されず、あえて書き込まれた声だからこそ、現場の実感が表れています。「宿泊客が減る」「オーバーツーリズムのない大津で導入しても意味がない」という指摘は、感情論ではなく、税を負担する当事者による費用対効果の判断です。
委員会は「必要性や用途を丁寧に説明する必要がある」と結論づけましたが、順序が逆です。事業者が疑問を呈しているのは説明不足だからではなく、そもそも必要性を感じていないからです。説明を尽くせば納得するはずだという前提は、行政の都合を押し付ける発想にほかなりません。
「選ばれ続けるための税」という論法
「抑制するためではなく、選ばれ続けるための税だと繰り返し説明する」という委員の発言は、反対意見を封じるための言い換えにすぎません。抑制効果を否定しても、宿泊料金が実質的に上がる事実は変わりません。価格が上がれば選ばれにくくなるのが市場の原則であり、「選ばれ続けるため」という名目とは矛盾します。
観光地としての魅力を高めたいのであれば、まず既存予算の使い方を見直し、効果の薄い事業を削るのが先です。財源不足を新税で埋める前に、支出の優先順位をつけ直す行政努力がなされたのか、市は示していません。
県内初導入という重さ
大津市が導入すれば滋賀県内で初の宿泊税となります。一度導入された税は既得権益化し、廃止された例はほとんどありません。使途が観光目的に限定されていても、税率の引き上げや対象拡大は後からいくらでも可能です。県内初の前例をつくることの意味を、市も委員会も軽く見ています。
負担を強いられる事業者と宿泊客が疑問を呈している以上、まず問われるべきは「なぜ増税なのか」です。説明の巧拙ではなく、税そのものの是非を正面から議論すべきです。
徴税コストを考慮しているのか
新税を語るとき、必ず抜け落ちるのが徴税コストの視点です。宿泊税を導入すれば、税収が生まれる一方で、その税を集めるための費用が必ず発生します。
まず、事業者が宿泊料金とは別に税を徴収し、市へ納入する事務が新たに加わります。宿泊管理システムの改修、従業員への周知、領収書の追加発行を含む経理処理の増加、納入手続きなど、これらはすべて事業者の負担です。大手ホテルならまだしも、家族経営の旅館や簡易宿所、民泊の事業者にとっては、税収とその使途による良い影響に見合わない過大な事務負担となります。
その徴税コストと客が使える宿泊予算への影響を考慮すると、その分をホテル等が宣伝広報にまわせるのではないでしょうか?
京都では、外国人が「払う理由が解らない」とフロントに抗議してくることが実際にあり、その対応負担なども発生していると聞いています。
市の側にも、税を管理し、徴収状況を確認し、未納があれば督促し、使途を報告するための人件費とシステム費用が発生します。目的税である以上、集めた税がどう使われたかを説明する責任も伴い、そのための事務コストは恒常的に続きます。
問題は、これらのコストを差し引いた後、実際に観光振興へ回せる金額がいくら残るのかを、市が一切示していないことです。税収の総額だけを語り、集めるための費用を伏せたまま「魅力向上に充てる」と説明するのは不誠実です。徴税コストが税収の相当割合を食いつぶすのであれば、そもそも税として成立していません。
観光地としての魅力を高めたいのであれば、事業者と行政の双方に新たな事務負担を強いる税を新設するより、既存予算をその目的に振り向ける方がはるかに効率的です。集めるだけで費用のかかる仕組みをわざわざ作る必然性は、どこにもありません。


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