top of page

【交通税と県議会の攻防・第31回】「税ありきの証拠」と突きつけられた計画。議会軽視では? | 令和6年5月

更新日:4月30日


今回のポイント

令和7年5月、常任委員会と特別委員会で、交通税の議論はシリーズ最大級の激論に発展しました。


川島隆二議員(自民党)は「知事が交通税を取りたいと言っているのだから、これは新たな税ありき。この計画はその前提でつくられている」と断言。さらに「増便を前提に税金を取ることになれば、交通事業者は減便して『県で持ってください』と言ってくる。どんどん交通税が上がっていく」と、交通税が事業者のモラルハザードを招くリスクを鋭く指摘しました。


河村浩史委員(滋賀維新の会)は、骨子案の「正のスパイラル」の図を「無責任」と一刀両断。「公共交通サービスを向上すれば利用者が増え、収益改善、にぎわい増加、人口増加につながるという流れは本当なのか。数字を示してほしい」と迫りました。


森重重則委員(無所属)は、概算費用に含まれるJR増便について「他府県から線路がつながっているのに、滋賀県だけ増便できるのか。資料の信憑性と責任が問われる」と追及。県側が「JR湖西線や草津線の増便を想定」と答えると、川島議員が「増便について県が財源を持ってやりますという財源ありきの議論は相当まずい」と畳みかけました。


そして白井幸則委員長(自民党)は、県が「税制審議会での議論も公論熟議の一つ」と説明したことに対し「税制審議会が税金をやりなさいと投げてきているのだから、また持っていっても同じ答えしか返ってこない。税制審議会の役割と公論熟議は分けて考えないといけない」と釘を刺しました。



交通税関連質疑のまとめ


文スポ・土木・警察常任委員会(5月14日)

田中松太郎委員(チームしが)は「アイデア会議を基に策定される計画に交通税が盛り込まれた場合、計画を認めると自動的に交通税にも賛成することになるのか」と確認。小林交通戦略課長は「税として負担をお願いする場合は条例などの手続が必要。改めて議会で御議論いただく」と答弁しました。田中委員は「アイデア会議と議会の足並みが揃うよう丁寧に進めてほしい」と要望しました。

 

地方創生・公共交通対策特別委員会(5月27日)

河村浩史委員は、骨子案の「正のスパイラル」の図について「公共交通のサービス向上をすれば利用者が増えて収益改善につながると本当に考えているのか」と追及。「どれだけ増便すれば利用者がどれだけ増えるのか、数字を示さずにこの図だけ出すのは行政として無責任」と批判しました。小林課長は「目指す姿としてお示ししたもの」と答弁しましたが、河村委員は「税負担で予算を捻出しても、正のスパイラルが途中で止まったら無駄になる。きちんと計画して数字を出す必要がある」と重ねて求めました。

 

川島隆二議員(自民党)は「公共交通がない地域は、にぎわい減少や健康悪化しているのかという話になる。ヨーロッパや富山市の例は都市部の話で、県レベルでは当てはまらない。この図は物すごく恣意的」と断じました。さらに交通税について核心的な指摘を展開。「増便を前提に税金を取ることになれば、JRもバスも減便して『県で持ってください』と言ってくる。交通税がどんどん上がっていく」「様々な計画がある中で、財源をわざわざ入れているということは、交通税ありきの証拠。概算費用を示して交通税は仕方ないという方向に誘導しようとしていることが見えている」と厳しく追及しました。伊吹土木交通部長は「新たな税ありきでは進めていない」と答弁しましたが、川島議員は「知事が交通税を取りたいと言っているのだから、これは税ありき。知事の政策として肉づけをしている」と退けました。

 

森重重則委員は、概算費用63.6億円に含まれるJR増便について「他府県から線路がつながっているのに、滋賀県だけ増便できるのか。操車場もないのにそういうことができるのか」と追及。県側が「JR湖西線や草津線の増便を想定」と答えると、「県民がこの資料を見れば、JR琵琶湖線や湖西線の本数が増えると誤解する。実現できる範囲を具体的に書くべき」と求めました。

 

河村浩史委員は骨子案に記載された「地域交通を支える税の在り方について、公論熟議で検討」について「今後のスケジュールを見ると、ワークショップとフォーラムとパブコメがあるだけ。これで公論熟議ができるのか。交通税については別枠でしっかり機会を設けるべき」と指摘しました。

 

村上税政課長は「税制審議会での議論も公論熟議の一つの機会」と説明しましたが、白井幸則委員長(自民党)が「税制審議会は税金をやりなさいと投げてきている側。また持っていっても同じ答えしか返ってこない。公論熟議とは分けて考えるべき」と明確に否定しました。

 

村上課長は「地域交通計画の策定段階で新たな税の導入を決定することは考えていない」「どの率で、どの額で導入するかも今年度中に最終決定するものではない」と説明しました。

 

駒井千代委員(さざなみくらずは異なる角度から「県庁職員が2週間なり1か月なり車を使わない生活をして、課題を共有すべき」「軽自動車の所有にかかる年間費用と公共交通のコストを比較できる材料を示すべき」と提案しました。



感想

川島議員のツッコミはいつも鋭くて気持ちが良いです(笑)

知事選出てほしかったなあ(号泣)

 

「増便を前提に税金を取れば、事業者は減便して県に持たせようとする」という指摘は、交通税の本質的なリスクを突いています。これは経済学でいうモラルハザードそのものです。行政が赤字を補填する仕組みをつくれば、事業者に経営努力のインセンティブがなくなる。近江鉄道の上下分離がまさにその先例であり、交通税はこの構図を全県に拡大することにほかなりません。


河村委員の「正のスパイラルは無責任」という批判も重要です。公共交通を充実させれば人口が増えるという因果関係は証明されておらず、そもそも人口減少が公共交通衰退の根本原因であることをビジョン自身が認めています。原因と結果を逆転させた図を掲げて県民に負担を求めるのは、誠実な態度とは言えません。


そして委員長自らが「税制審議会と公論熟議は別」と明言したことの意味は大きい。ほんまそれなんですよ。県は「公論熟議」の実績として税制審議会を挙げてきましたが、推進側の審議会に議論を戻しても「税をやれ」という答えしか返ってこないのは当然です。真の公論熟議とは、反対意見も含めた県民全体との対話であり、その場が全く足りていないことが改めて明らかになりました。


というかここまでぼっこぼこにされてて引っ込めない知事ってなんなの?

議会軽視でしかないでしょ。




署名にご協力ください

交通税の導入に反対する署名活動を行っています。県民の声を届けるため、ぜひご協力をお願いいたします。

滋賀県減税会

コメント


bottom of page