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【交通税と県議会の攻防・第30回】交通ビジョン骨子案に噴出した「前のめり」批判 | 令和7年2~3月



今回のポイント


令和7年2月に第2回交通フォーラムが行われました。

令和7年2月定例会議から3月の委員会にかけて、滋賀地域交通計画の骨子案が初めて示され、交通税の議論は最も具体的かつ激しい局面を迎えました。


特別委員会では、複数の委員から「前のめり」「時期尚早」「事業費ありき」という批判が噴出しました。赤井康彦委員(チームしが)は「アイデア会議では全く出てこなかった交通税という言葉が急に骨子案に出てくるのはおかしい」と直言。加藤誠一委員(自民党)は「事業費がどれだけ要るかを先に出そうとしているような計画に思えてならない」「あまりにも前のめりになっている」「交通税ありきではなく、市町に必要な交通がどう理解されるかが大事」と厳しく指摘しました。


また、計画策定まで残り1年という日程に対しても「あまりにも短い」(赤井委員)との懸念が示され、県側も「タイトな日程になる」と認めています。


一方、フォーラムでは「乗っていない公共交通のために税金を徴収されるのは反対」という声と、「公共交通はインフラであり投資だ」という声の両方が寄せられたことが報告されました。知事は「税導入を目指すと判断した際には、条例に係る議会の承認が必要」と、初めて導入に向けた具体的プロセスに言及しています。



交通税関連質疑のまとめ


2月定例会議・本会議(2月19日)

田中松太郎議員(自民党)は、県民フォーラムの内容、骨子への盛り込み方、交通税の導入スケジュールを質問しました。

知事は、フォーラムに約360名が参加し700件超の意見があったと報告。「乗っていない公共交通のために税金を徴収されるのは反対」という声も紹介しつつ、骨子に「交通税を財源の選択肢の一つとして提示する」方針を明示しました。さらに「税導入を目指すと判断した際には、条例等に係る議会の御承認等はもとより、市町や交通事業者とも詳細を調整し、具体的な導入時期等を定める」と、初めて導入に向けた手続きの道筋に踏み込みました。



予算特別委員会(3月7日)

佐口佳恵委員は、未来アイデア会議の予算1,230万円(国補助含め約2,130万円)の内容を確認した上で、「痛税感は大きく、県民とのさらなる対話が必要」と述べ、デジタル民主主義の活用など熟議形成のための予算を求めました。波多野土木交通部長は「賛成、反対双方の意見がある交通税について、議論をさらに深められるよう工夫して取り組みたい」と応じました。



行財政・DX推進特別委員会(3月17日)

海東英和委員(自民党)は「交通税に関しては暴走したかのように、財源として税が要るとの勝手な組立てになっている」「税で何を県民のために行政サービスとして組み立てるのか、料金で賄えるものは税の守備範囲外であるなど、根幹部分はどこがコントロールするのか」と厳しく追及しました。財政課長は「交通税等については、今後の議論を踏まえ県財政に与える影響を見極める必要がある」と答えるにとどまりました。



公共交通特別委員会(3月17日)

骨子案について集中質疑が行われ、ほぼ全委員が発言する異例の展開となりました。

重田剛委員は「受益者負担が原則。税の導入以前に利用者を増やす努力が必要」「恩恵を直接受けない人への説明がされていない」「コンパクトシティの考え方もある」と指摘。「いろいろな部局と連携して柔軟に」と求めました。

 

赤井康彦委員(チームしが)は「アイデア会議では全く出てこなかった交通税が急に骨子案に出てくるのはおかしい」と批判。計画策定まで残り1年であることについても「県民にしっかり伝わるのか。本当に足りるのか」と懸念を示しました。

 

加藤誠一委員(自民党)は、骨子案の根本的な問題を指摘しました。「事業費がどれだけ要るかを先に出そうとしているような計画に思えてならない」「都市計画のコンパクトシティ化とそごが生じていないか」「知事の方針が分からない。県財政の中でどのぐらい交通に回せるかが示されていない中で次の財源を言われても分からない」と述べ、「あまりにも前のめり」「交通税ありきではなく、利用者負担がどうあるべきかを押さえ、行政の役割は何かという視点で検討を」と要望しました。

 

谷口典隆委員(自民党)は、市町の地域公共交通計画との整合性を問い、4月から湖東圏域でバス料金が40円値上がりし、彦根市内の巡回バスが廃止される現実を示した上で「交通税による負担が増えるという話になると、市町の計画自体が絵に描いた餅になる」と警告しました。

 

田中誠委員(滋賀維新の会)は「核となるのは県民に対する合意形成。交通税の話が出るなら、もっと広い範囲でアンケートを実施すべき」と求めました。

 

佐口佳恵委員は「どのぐらいの交通税を払ったらどのぐらいのメリットがあるかが見えにくい」と述べ、「知事も含めて方針を示していただかないと検討もできない」と求めました。

 

桐田真人副委員長は「地域公共交通が置かれている既得権益の仕組みにも積極的に展開すべき。財源を同じ仕組みで投入しても県民は満足されない」と、制度そのものの変革を求めました。

 

九里学委員(チームしが)は「全国的にも挑戦的な計画。オール滋賀として理解と醸成が必要」と述べつつも、「受益者負担の原則はずらせない」「法定外の目的税であることを背骨に置くべき」と釘を刺しました。

 

橋本税政課長は「税の導入が前提ではない」「計画ができたから一足飛びに徴収ということにはならない」と説明しつつ、「徴収するならばこういった形が望ましいというところまでお示しできれば」と述べました。


 

感想

今回の議論で明らかになったのは、交通税の議論が県の内部でも議会でも、全く合意に至っていないという事実です。「前のめり」「暴走」「おかしい」「前提ではない」。これだけの批判が出ている中で、骨子案に交通税を盛り込もうとすること自体が、県民の理解を得る道筋から外れています。

 

加藤委員の「事業費を先に出そうとしている計画」という指摘は本質を突いています。本来、計画とは何を実現するかを示すものであり、いくらかかるかを示すものではありません。費用を先に積み上げ、その財源として交通税を位置づける。この順序が「税ありき」と批判される根本原因です。

 

谷口委員が指摘した「バス料金値上げと巡回バス廃止が進む中で交通税の負担増を語る」矛盾は、県民にとって最もリアルな問題です。今まさにサービスが劣化しているのに、新たな税を払えば良くなると言われても、信用できないのは当然です。まず目の前のサービス劣化を食い止める具体策を示すことが、県民への最低限の誠意ではないでしょうか。



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滋賀県減税会

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