【交通税と県議会の攻防・第25回】「いつまで言い続けるのか」「バイアスがかかっている」議会の苛立ち| 令和6年5月の公共交通特別委員会
- 喜多G13

- 5 日前
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今回のポイント
令和6年5月の公共交通特別委員会で、交通税をめぐる県の姿勢に対し、複数の委員から率直な苛立ちが表明されました。
最も印象的だったのは、谷口典隆委員(自民党)の一言です。「『例えば交通税のようなものがあればどのような社会になるのか』の文言は耳にたこができるほど聴いている。いつまで言い続けるのか」。この言葉は、県が何年にもわたって「仮定」の段階にとどまり続けていることへの、議会側の限界を示しています。谷口委員は「はっきり結論づけて、計画を実施していくための財源として県民に示していくのも一つの方向性だ」と、曖昧な態度を続けることへの批判を展開しました。
田中誠委員(滋賀維新の会)は、昨年度のアンケートについて「そもそもバイアスのかかったものだったのではないか」と正面から問題提起。職員が県民の隣について話しながらアンケートを取った手法について「話す側の主観によってバイアスがかかる」と指摘し、「誰もいなくても紙1枚で理解できて、バイアスのかからないアンケートを取る気持ちがあるのか」と迫りました。
また、ビジョン策定後の広報媒体に対する県民の反応が「電話1本」だったことも明らかになり、県民への情報伝達の不十分さが露呈しました。
交通税関連質疑のまとめ
公共交通・国スポ・障スポ大会対策特別委員会(5月24日)
谷口典隆委員(自民党)は3点を質問しました。まず、ビジョンの資料にライドシェアという言葉がなくシェアモビリティに置き換えられているのかを確認。次に、国スポを機にしたライドシェアの試行と計画策定のスケジュールの整合性を質しました。そして交通税について「いつまで言い続けるのか。計画に盛り込むのか、予算措置の中で検討するのか、はっきりさせるべき」と求めました。
小林交通戦略課長は、シェアモビリティはライドシェアを包含する広い概念であり言い換えではないと説明。ライドシェアの試行については「計画策定まで何も手をつけないということではなく、試行の結果を計画に生かしたい」と答弁しました。交通税については「必要があるという結論になれば計画に盛り込むが、今の時点で必ず書くと約束できるものではない」としました。橋本税政課長は「施策と財源をどう盛り込むか十分検討していく」と述べるにとどまりました。
重田剛委員は、「税金を投入してでも県民が移動できる手段を確保しようとする熱い思いや決意があるのか」と質問。小林課長は「財源負担についても議論から逃げずに検討したい」「裏打ちのある計画を作成したい」と答えました。近江鉄道については、令和5年度の乗車人数が前年比約6%増、定期外利用者は約11%増で、コロナ前の水準に戻りつつあることが報告されました。
田中誠委員は、昨年度のアンケートについて「バイアスのかかったものだったのではないか」と問題提起。約7割が新しい税負担を「仕方ない」としたという結果について「もともとバイアスのかかったアンケートでエビデンスが取れるのか不安」と述べ、「なるべくバイアスのかからない、誰が見てもフラットに見ることができるアンケートを取り直す計画はあるか」と質しました。
越後管理監は「できるだけ公平公正な形で実施したつもりだが、そのような見方もできる」と認め、今年度はワークショップでの議論を中心に進める方針を示しました。田中委員は再質問で「職員が隣について話しながら取ったアンケートでは主観が入る。紙1枚でバイアスのかからないアンケートを取る気持ちはあるのか」と追及。越後管理監は「前年は文書によるアンケートも実施しており、今後もできるだけ丁寧に対応したい」と答えました。
佐口佳恵委員は、対話の対象範囲について質問。税制審議会で企業も対象に入れるべきとの議論があったことに触れ、「対話の対象に漏れがあり、後から議論が難しくなることがないように」と求めました。アンケートについても「非常に専門的なもの」との認識を示し、外注や専門家の所見を入れる予算があるかを確認。人流データについても大学との連携の予算を質しました。
越後管理監は、コンサル業務で人流データを活用する方針であること、滋賀大学データサイエンス学部との連携も検討していることを説明しました。
九里学委員(チームしが)は、県広報誌の特集記事に対する県民の反応を確認。小林課長は「交通戦略課への直接的な反応は電話1本」と答えました。九里委員は「県民が最も注視している施策。一部の人間だけが知っているものにせず、県民に広げてほしい」と要望しました。
感想
「交通税があればどんな社会になるか」という仮定の話を何年も繰り返しながら、具体的な制度設計には進まず。
田中委員のアンケート批判も重要です。職員が隣に座って説明しながら取るアンケートで「7割が負担を許容」という数字が出ても、それをエビデンスとして使うことには無理があります。
佐口委員が指摘した「アンケートは専門的なもの」という認識は本来は正しいのですが、その専門家が作ったアンケートがあの令和4年10月の交通税容認誘導アンケートなのです。統計のプロが純粋に県民の意見が欲しいと思って作った中立的なアンケートではありません。だから専門家に依頼すればよいというのは誤りです。
そして、県広報誌の特集記事への反応が「電話1本」だったという事実。県は「県民との対話」を掲げながら、県民の関心を喚起できていないのが現実です。知りたい人だけが知っている状態で「合意形成」を語ることはできません。交通税の議論は、県民の大多数が知らないところで進んでいるのではないでしょうか。
余談ですが
以下は、県が引き続き公共交通関連でコンサル契約している『パシフィックコンサルタンツ株式会社』が令和6年5月に県に対して提出した、事業計画書の一部です。

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