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【交通税と県議会の攻防・第21回】委員会が公式に「導入ありき」を牽制、賛成議員の酷い論理

近江鉄道クロスセクター効果について語る中沢啓子議員


今回のポイント

令和5年11月定例会議から12月の常任委員会にかけて、交通税の議論は新たな転換点を迎えました。

 

最も重大なのは、土木交通・警察・企業常任委員会が本会議の場で「交通税の導入ありきのイメージが先行しているが、様々な方法を検討した上で、交通税については新たな財源確保の手段の1つとして、特に慎重に議論されたい」と公式に報告したことです。海東英和委員長(自民党)が読み上げたこの一文は、個々の委員の意見ではなく、委員会としての総意です。議会が組織として「導入ありき」への警戒を表明した意味は極めて重いものがあります。

 

また、近江鉄道の上下分離に伴う10年間の事業費が158億円、県と沿線市町の負担金が116億円という試算が初めて明らかになりました。交通税の議論と並行して、これだけの公的負担が既に見込まれている現実は、県民にとって大きな衝撃です。

 

さらに、12月の常任委員会ではアンケートの33%が許容額について無回答だったことが判明。柴田栄一議員(滋賀維新の会)が追及し、県側も「ストレートに負担反対」「何に使われるか示してもらわないと答えようがない」という二種類の意見があったと認めました。



交通税議論のまとめ


11月定例会議・本会議(12月4日)

 

中沢啓子議員(チームしが)は代表質問で、近江鉄道の鉄道事業再構築実施計画について質問。10年間の事業費158億円、県と沿線市町の負担金116億円という試算が法定協議会で示されたことを取り上げ、協議会での議論の内容と今後の課題を問いました。

 

また、県民フォーラムの結果と今後への反映、そしてクロスセクター効果分析の全県展開について質問しました。近江鉄道の分析では、廃止して代替施策を行う費用(年間19.1億円以上)が、鉄道を維持する費用(年間6.7億円)を大きく上回るとの結果を紹介し、全ての地域公共交通でこの分析を行うべきではないかと提言しました。


 

知事は県民フォーラムについて、「車がなくても暮らせるまちに住みたい」「ライドシェアの導入など増税以外の手段を考えるべきだ」など多くの意見が寄せられたことを紹介。「滋賀県にふさわしいライドシェアの在り方」と「交通税の議論」の両方に意見をつなげていくと述べました。クロスセクター効果分析についても「重要かつ有効」と認めています。

 

 

常任委員会の本会議報告(12月21日)

海東英和委員長(自民党)が、常任委員会の審査報告の中で「交通税の導入ありきのイメージが先行しているが、様々な方法を検討した上で、交通税については新たな財源確保の手段の1つとして、特に慎重に議論されたい」との委員会意見を読み上げました。これは委員会としての公式見解であり、個人の意見表明とは重みが異なります。



土木交通・警察・企業常任委員会(12月14日)


交通ビジョン素案について集中的な質疑が行われました。


谷口典隆委員(自民党)は、ビジョンに「滋賀県版ライドシェア」と記載されたことを評価しつつ、「あえて記載しているからには、何らかの踏み込んだアクションを起こしてもらえるのか」と具体化を迫りました。越後管理監は「規制緩和をしなくても自家用車の有償利用として対応できる」とし、「前向きに検討したい」と答えています。

 

柴田栄一委員(滋賀維新の会)は、アンケートの負担許容額で33%が無回答であることを追及。「以前から指摘しているが、月額100円から選択肢が始まるところが引っかかる」と改めて問題提起し、「今後パブリックコメントでは、反対意見も言えるような方法で聞いてほしい」と求めました。また、県民フォーラムで費用負担についての質問が設定されていなかったことも指摘しました。


菅沼利紀委員は、アンケートの対面式では「メイキングの可能性、誘導のようになってしまう」リスクがあると指摘。さらに「話を聞いていると、現状の公共交通を守るために、どう税負担をするのかというイメージが拭えない」と述べ、現状維持ではなく「攻めの公共交通」としてビジョンを描くべきだと提言しました。「今年の漢字が税だったので、知事がまた税のことを話されていた。ビジョンの組立てを間違わないようにしないと、理解してもらえるものももらえなくなる」という発言も印象的です。

 

田中松太郎副委員長は、ビジョンが「現状維持からスタート」している点を問題視。「減らす部分、置き換えていく部分も検討した上で、全体としてどれだけ経費を抑えるのかという発想がないと、税ありきと受け止められる」と指摘しました。具体的に「バス路線の利用が少ないならば、なくしてタクシー補助をしたほうが安くなるといったことを全県的に検討すべき」と述べ、クロスセクター効果分析の具体的な活用方法とスケジュールを求めました。

 

海東英和委員長(自民党)は最後に、「内容が分からないのに100円なら大丈夫ですか、500円なら大丈夫ですかという聞き方には課題がある」と述べ、手順と聞き方を含めて丁寧に検討するよう要望しました。




知事や県側その他の答弁のまとめ

 

11月定例会議(12月4日)


知事は県民フォーラムについて「よりよい滋賀をつくるためにみんなで議論し考えることが自治の姿」と評価し、今後「滋賀県にふさわしいライドシェアの在り方」と「交通税の議論」の両方につなげていくとしました。クロスセクター効果分析については「重要かつ有効」と認め、「目指す地域交通の姿を実現するための具体的な施策と、その財源の在り方、負担分担、交通税を含めた議論も進めたい」と述べました。

 


土木交通常任委員会(12月14日)

 

越後管理監は、ライドシェアについて「規制緩和をしなくても自家用車の有償利用として対応でき、地域の皆様と話し合いながら前向きに検討したい」と答弁しました。

アンケートの33%無回答については、「ストレートに負担反対という意見」と「何に使われるかはっきり示してもらわないと答えようがないという意見」の二種類があったと説明。パブリックコメントについては「全体を通じて意見を頂戴する」とし、今後の政策にも反映するとしました。

 

クロスセクター効果分析については「県内全域の分析はなかなか難しい」としつつ、「来年度から地域ごとの実施計画をつくる中で活用したい」と答弁。ただし、具体的な進め方については「説明できる段階ではない」と認め、平松理事も「どのような形で使うかは説明できる段階ではないが、しっかり使っていき説明したい」と述べるにとどまりました。

 

来年度の進め方としては、地域ごとにワーキングを立ち上げ、地元の意見を聞きながら地域の特色に合った実行計画を策定する予定であることが示されました。


 

感想

近江鉄道のクロスセクター効果の「19億」の根拠が「観光客や買い物客など自由目的の移動にタクシー券」等を含む酷い内容
拡大して19億の内訳見てください。中沢議員のいう事は正しいと思いますか?

三日月知事と懇意にされている、中沢啓子県議の認識を疑います

この表をまともに読めば、近江鉄道のクロスセクター効果の「19億」の根拠が「観光客や買い物客など自由目的の移動にタクシー券」等を含む酷い内容なのは政治に詳しくない人でも解ります。何期も続けてきた議員が、その見方も分からないのですか?

そして、近江鉄道の維持費用は令和5年に発表されたものは年間約15.8億です。


近江鉄道の10年間158億円、県・市町負担116億円という数字。交通税の議論とは別に、これだけの公的負担が既に見込まれている。交通税が導入されれば、こうした既存の負担に上乗せされる形になります。県民にとっての「本当の負担総額」はいくらになるのか。この全体像を示さずに「月100円の許容額」を聞くアンケートが、いかに不誠実であるかが分かります。

 

33%の無回答は、「負担したくない」という選択肢がないアンケートに対する、県民の無言の抵抗とも読めます。県側が認めた「何に使われるか分からないのに答えようがない」という声こそ、最もまっとうな反応ではないでしょうか。

 

田中副委員長が指摘した「減らす部分、置き換える部分の検討がない」という点も核心です。現状維持を前提に費用を積み上げ、その財源として交通税を論じる。この構図を変えない限り、どれだけ「丁寧に」議論を重ねても、県民の「税ありき」という不信は解消されません。まず削れるものを削り、民間に任せられるものは任せ、それでもなお足りない部分だけを公的に負担する。その順序を守ることが、県民への最低限の誠実さだと考えます。


 

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滋賀県減税会

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