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県民400人が答えた「交通税」 賛成はわずか12.8%、負担増を受け入れる県民は6.0%


滋賀県減税会は令和8年8月13日、滋賀県民400人を対象に、滋賀地域交通計画と交通税についてのアンケートを実施しました。この記事では、そのうち設問1(交通計画への考え方・複数回答)と設問2(交通税への賛否・単一回答)の回答データを集計し、県が進めようとしている交通税がどう受け止められているのかを見ていきます。


 

交通税に反対が61.0%、賛成は12.8%

まず設問2の結果です。「あなたは、交通税についてどう考えますか」という問いに対する回答は、次の通りでした。

交通税反対

回答

人数

構成比

交通税は反対だ

145人

36.3%

交通税はどちらかというと反対だ

99人

24.8%

どちらともいえない

105人

26.3%

交通税はどちらかというと導入すべきだ

32人

8.0%

交通税は導入するべきだ

19人

4.8%

反対と、どちらかというと反対を合わせると244人で61.0%になります。一方、導入すべきと、どちらかというと導入すべきを合わせても51人で12.8%にとどまりました。反対は賛成のおよそ4.8倍です。

さらに注目すべきは、明確に「交通税は反対だ」と答えた145人(36.3%)が、5つの選択肢の中で最も多かったという点です。賛否が割れているのではなく、反対側の一択に回答が集中しているのが、この結果の特徴です。

 

 

「クルマを手放せる滋賀」に最も多くの疑問が集まった

次に設問1です。滋賀地域交通計画について、考えに近いものをすべて選んでもらった結果は次の通りです(複数回答、n=400)。

交通税反対

選択肢

人数

選択率

「クルマを手放せる滋賀」という目標自体が、滋賀の生活実態や人口密度に合っていない

178人

44.5%

高齢化が進む中、クルマに頼らない移動手段の確保は必要だ

142人

35.5%

赤字交通への補助のし過ぎには疑問

127人

31.8%

生活に必要最低限の移動が出来る、という現実的な計画にするべきだ

116人

29.0%

税金を投入する前に、事業者の経営努力や路線の効率化を優先すべきだ

109人

27.3%

公共交通の充実は、地域の活性化や移住・観光の促進につながる

76人

19.0%

追加負担が不要な範囲でなら実現すべきだ

71人

17.8%

近江鉄道は上下分離による維持ではなく代替案を考えるべきだ

44人

11.0%

県民負担が増えてもこの交通ビジョンを実現すべきだ

24人

6.0%

あてはまるものはない

67人

16.8%

最も多く選ばれたのは「クルマを手放せる滋賀という目標自体が、滋賀の生活実態や人口密度に合っていない」で、44.5%にのぼりました。県が掲げるビジョンの中心にあるキャッチフレーズそのものが、県民の生活実感と噛み合っていないという評価です。

 

計画の進め方に関する選択肢も上位に並びました。赤字交通への補助のし過ぎに疑問が31.8%、税金投入の前に経営努力や効率化を優先すべきだが27.3%、生活に必要最低限の移動ができる現実的な計画にすべきだが29.0%です。追加負担が不要な範囲でなら実現すべきだの17.8%を含め、負担増を前提としない選択肢のいずれかを選んだ人は286人、71.5%に達しました。

 

 

負担増を受け入れる県民は24人、6.0%だけ

今回の設問で、財源負担そのものへの覚悟を問う選択肢は「県民負担が増えてもこの交通ビジョンを実現すべきだ」の1つです。これを選んだのは400人中24人、わずか6.0%でした。裏を返せば、376人(94.0%)はこの交通税導入の選択肢を選ばなかったことになります。

 

交通税は、この計画を県民負担で支えることを前提とした税です。その前提を明示的に受け入れる県民が20人強しかいないという数字は、制度の土台そのものが県民に支持されていないことを示しています。

 

なお、この24人のうち交通税に賛成した人は15人で、賛成した51人の約3割にあたります。残る36人は、負担増を受け入れる選択肢を選んでいません。さらに、賛成した51人のうち20人は、赤字補助への疑問や効率化の優先など、負担を前提としない選択肢を同時に選んでいました賛成側の内部でも、負担増そのものへの合意は固まっていません。

 

 

公共交通の必要性を認める人でも、交通税は支持していない

このアンケートで重要なのは、県民が公共交通そのものを否定しているわけではないという点です。

 

「高齢化が進む中、クルマに頼らない移動手段の確保は必要だ」を選んだ人は142人で、選択肢全体の2位でした。「公共交通の充実は、地域の活性化や移住・観光の促進につながる」も76人が選んでいます。このどちらかを選んだ158人は、公共交通の理念や必要性そのものには賛同している層です。

 

ところが、この158人の交通税への回答を見ると、反対が79人(50.0%)、賛成は33人(20.9%)でした。理念に賛同する層に限っても、反対が賛成の2倍以上です。

さらに、この158人のうち115人は、赤字補助への疑問や効率化の優先など、負担を前提としない選択肢も同時に選んでいました。この115人に絞ると、交通税への反対は59.1%、賛成は13.0%となります。公共交通は必要だと考えながら、その財源を新税に求めることには反対する。これが県民の平均的な立場だと言えます。

 

 

「どちらともいえない」層も、中身は慎重論だった

交通税への回答で「どちらともいえない」と答えたのは105人(26.3%)でした。この層は一見すると態度未定に見えますが、設問1の回答を見ると様相が異なります。

この105人のうち63人(60.0%)は、赤字補助への疑問や効率化の優先、現実的な計画への修正など、負担増を前提としない選択肢を選んでいました。一方、県民負担が増えても実現すべきだを選んだ人は、105人中わずか2人です。

つまり「どちらともいえない」は賛否が拮抗している層ではなく、計画そのものには慎重でありながら、税の是非を判断する材料が十分に与えられていない層だと読むのが自然です。県が税の具体像を示さないまま議論を進めてきた結果が、この層の存在に表れています。

 

 

回答から見える県民の要求

回答者1人あたりの平均選択数は2.4個でした。単一の選択肢だけを選んだ人が162人いる一方、3つ以上を選んだ人も158人おり、多くの県民が複数の論点を同時に意識しながら回答しています。

 

そこから浮かび上がる要求は明確です。移動手段の確保は必要だと認めたうえで、まず事業者の経営努力と路線の効率化を求め、赤字への補助を無制限に増やすことには疑問を持ち、生活に必要最低限の移動が確保される現実的な計画を望み、追加の負担なしで実現できる範囲にとどめてほしい。これが県民の声です。

「クルマを手放せる滋賀」という理想像を掲げ、その赤字を新税で埋め続ける構図は、今回の400人の回答のどこにも支持を見つけられませんでした。交通税を導入すべきだと明確に答えたのは19人、4.8%です。

 

県が進めるべきは、新税の制度設計ではありません。既存予算の見直しと事業の効率化によって、必要最低限の移動をどう確保するかを示すことです。県民が求めているのは、負担の上乗せではなく、優先順位の見直しです。

 

調査概要

調査対象:滋賀県在住者400人 調査方法:インターネット調査 有効回答数:400件 集計対象設問:設問1(滋賀地域交通計画について・複数回答)、設問2(交通税への賛否・単一回答) このブログ内では構成比は小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

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