【参加レポート1】第3回滋賀県交通ワークショップ 交通弱者を救うには? 交通税は?
- 喜多G13

- 8月5日
- 読了時間: 16分
更新日:8月5日

場所:彦根市/時間:14時10分〜17時ごろ
8月2日に彦根市で開催された「第3回滋賀県交通ワークショップ」に参加いたしました。このワークショップは約3時間にわたり行われ、滋賀県内のさまざまな地域から参加者が集まり、県全体の公共交通に関する課題や展望について意見を交わしました。
参加者は35人くらい?
県議も来られていましたが、チームしがの中沢けいこ議員と赤井議員だけでした。
記事の要約
ワールドカフェ方式で県民同志が4人ずつテーブルに分かれて意見交換を行い、場所を変えて違う人とも会話。最後に自分たちの意見を3項目、発表するという流れでした。
「高齢者など交通弱者を救うには?」
「地域の交通課題をどのように解決するべきか?」
という問いに対して、かなりの参加者が
コンパクトシティ化が重要
完全ライドシェア解禁
規制廃止により民間や地域で出来ることが増える
自動運転バス
赤字バス路線はオンデマンド交通メインに
なんでも税金、行政で対応するのは無理無駄が出る
国民負担率が46%と高いのに交通税は無理がある
と話されてて、最後の各グループごとの発表でもおおむね上記の内容がよく話されていました。
もちろん、行政がある程度のことはしなければならないとおっしゃっている人もおられましたが、そこまで多くはありませんでした。
年金暮らしの方ですら、コンパクトシティ&自動運転の話をされていましたからね。
不便だと文句を言うにしてもそれの対策案がとても現実的で、かつ交通弱者を切り捨てるのではなく交通を守るための手段を考えている方々が多かったため、交通税反対&むやみな公共交通拡充はNGの私はアウェーかもしれないなと思いながら参加したのに最初から最後までずっと楽しかったです(笑)
民意を知ることが出来て安心しました。
これで交通税は無理ありすぎ!と思える雰囲気でした。
詳細

三日月知事まで距離2メートル。ドキドキ。
冒頭では、三日月知事から挨拶と情報共有、問題提起がありました。
主なテーマは以下のとおりです:
高齢者や学生など、交通弱者の移動手段をいかに確保するか
公共交通の利便性が低い地域において、移動の支援をどう実現していくか
各地域だけで話し合うのではなく、異なる地域の住民どうしが意見を交わすことによる新しい気づきの共有
これらを踏まえ、今回のワークショップでは「対話によって県全体の課題を捉える」という姿勢が重視されていました。
ワールドカフェ方式による進行
形式は「ワールドカフェ方式」で進行されました。
まず参加者は、自分が最初に割り当てられた地域のテーブルに着席します。1テーブルあたり3~4人の少人数編成で、顔が見えやすく、意見交換がしやすい工夫がされていました。

最初のテーブル
テーブルごとにペアを組んで自己紹介をしあった後、テーブルの他の人に向けて自分が自己紹介を聞いた人を紹介します(他己紹介)。各自が自分の地域の課題意識や、公共交通に関する現状・課題・アイデアなどを共有します。発言者の話を聞きながら、他の参加者が模造紙に意見を要約して記録していきます。そして、自分のところのテーブルで数十分話した後、「ホスト」が割り当てられている人を除き、最初にカードで指示された次のテーブルに移動します。
私のテーブル(東近江)では、竜王から来たA男さん(見た目70歳くらいの年配の方)、日野から来たA男さん(50代くらいの日野町観光協会の方)、近江八幡の高校生Cさんが居て、私はA男さんと自己紹介しあいました。
話すことは「名前、 どこから来たか、ここまでの移動手段、ここには何を伝えたくて来たか」です。
A男さんは、「来てと頼まれたからとりあえず来たけど何をするかはあまり解っていない。とりあえず交通について色々話せたらいいなと思う」ということでした。
私は、「今日は公共交通について対話をするという会だと思うが、全ての人を行政が救おうと公共交通の安易な拡充をすることは、かえってその交通がお荷物になりかねない。でも滋賀県は公共交通をとにかく拡充したいようだから、それについてもっと現実的に考えて計画を立ててほしくて来た。交通税の話もあるけどそんなの無理がある」とお伝えしたところ、A男さんは「本当に、おっしゃる通りだと思う!同じ意見です」と。
その後、私はA男さんの紹介を皆さんにしましたが、その時三日月知事はテーブルについておられました。なんというか、三日月知事の県民に対する対応は、好感度が非常に高いですね。さすがでした。交通税やめて💕
自分と同じ意見の人にしょっぱなから話せて、安心したし楽しくなってきた私!
各テーブルで自己紹介と課題の共有を終えた後、いよいよ本題である「公共交通の在り方」についての自由討論が始まりました。ここでは、冒頭に三日月知事から提起されたテーマも踏まえながら、それぞれの参加者が感じている現状や考えを率直に述べ合いました。
まず発言されたのは、A男さんでした。
「人口減少が進んでいる今の時代、ある程度のことは自分自身で工夫していく必要があると思う。例えば“ぽつんと一軒家”というテレビ番組があるが、見ている分には面白くても、実際にそこに住むとなれば、電気・ガス・水道などのインフラを整備しなければならず、それには多くの税金が使われているはず。そうした非効率な地域をすべて支え続けるのではなく、駅周辺への移住を促すような行政の取り組みも必要ではないか」
という、非常に現実的かつ大胆な意見が出されました。
次に発言されたB男さんは、観光協会からの参加者で、次のように話されました。
「私は日野町から来ましたが、地元は公共交通が非常に乏しい地域です。もし交通網が充実するならば、交通税の導入にも賛成できると考えています。ただ、今日は他の皆さんのご意見もぜひ聞いてみたいと思って来ました」
この発言に対し、私はすかさず「反対です」と率直にお伝えしました。すると、先ほど発言されたA男さんも同意のように頷かれていました。
さらにC男さんは、近江八幡市の状況に触れつつ、「市内はバス路線が比較的整っているが、隣接する竜王町では交通が非常に不便だ」と述べ、市町間の格差についても問題提起されていました。
ただ、A男さんの意見が長く続いたこともあり、私自身の発言時間はあまり取れず、限られた中で簡潔にしかお話しできなかったのが少し残念でしたが、他にも自動運転やライドシェア解禁の話が出ていました。
そして次のテーブルに移ります。
2つ目のテーブル移動後の対話(湖北3)

次に移動したのは、湖北3のテーブルでした。
湖北3どこ~(T_Tと言いながら歩いていると、知事がご親切に「あそこだよ」と教えてくださいました。知事やさしい💕交通税やめて💕
このワールドカフェ形式では、一定時間ごとにテーブルを移動します。新しいテーブルに着いた際には、そこに“ホスト”として残っていた参加者が、それまでそのテーブルで話し合われた内容を簡潔に説明してくれます。そして新しく移ってきた参加者も、それぞれ前のテーブルでどのような意見が出たのかを共有し合い、そのうえで新たな意見交換を行う流れです。
私たちはまず、前のテーブルで話題となった「コンパクトシティ化の必要性、移住による効率的な公共サービスの実現」「自動運転やライドシェア」といった意見があったことをお伝えしました。
湖北3テーブルでは、ホストさんが言うには直前の話し合いで日野町で実施されているライドシェアの取り組みについて紹介があったとのこと。これは地元で実際に運用されており、利用者からも非常に好評とのことでした。実際の成功事例を聞くことができ、とても参考になりました。
また、他にも「交通弱者をどのように守るか」という議題の回答として、むしろ「移動そのものの必要性を減らす工夫」「自動運転」「ライドシェア」に焦点が置かれていたそうです。
移動を減らす工夫は、たとえば
ドローン配送
オンラインでの買い物
買い物支援の移動販売トラック
オンライン診療
といった「移動しなくても生活できる仕組み」への注目が集まっており、これらは交通弱者を支える手段のひとつとして提案されていました。
また、
バスの廃止→オンデマンド交通
自動運転の導入
民間主導の乗り合いサービス
人口減少を前提とした柔軟な対応策
などのアイデアも模造紙に書き出されていましたが、「公共交通の網を単純に広げるべき」という意見はあまり聞かれませんでした。
特に印象的だったのは、「むやみに公共交通を拡充するのは現実的ではない」という現実的な視点です。「税金がいくらあっても足りない」「限られた財源の中で、本当に必要な支援に絞るべき」といった声も多く聞かれました。
そして、驚いたことに、ある参加者からは「国民負担率がすでに46~48%に達しており、これ以上の増税は望ましくない」という発言もあったそうです。こうした経済的な観点からも、交通税の導入には否定的な意見が示されていたことは、非常に印象に残りました。
良かった、みんな意見同じやん!
湖北3テーブルでの意見交換の中で、私からはJR加古川線の一部区間が廃線の危機にあるという話題を共有しました。
JR加古川線の西脇市〜谷川駅間では、年間で約2億円の赤字が出ているとされており、JR西日本はこの区間について「万博開催期間中(2025年4月〜10月)に、どれだけ利用者が増えるか」を判断材料とし、一定の条件を満たさない場合は廃線を検討するとしています。
※詳しくは、鉄道協議会の公開資料をご参照ください:https://tetsudokyogikai.net/jr/hyogo?utm_source=chatgpt.com
そのため現在、SNS上では地元住民や関心のある鉄道ファンたちが「今のうちに加古川線に乗って応援してほしい」という呼びかけを積極的に発信しています。
私はこの件について、次のような意見を述べました:
「普段利用していない人が一時的に乗って利用者数を増やすだけでは、持続的・根本的な解決にはならない。本当に地域の生活交通として定着することが重要であり、それがなければJR側も存続を判断しにくいだろう」
この考えに対して、テーブルの他の参加者の皆さんも頷いてくださり、共感を示しておられました。
湖北2テーブルで語られた“交通の困りごと”への提案
今回のワークショップで私が最後に参加したのは、「湖北2」のテーブルでした。この地域は旧浅井郡など、JR湖北線が走っているエリアで、道沿いにヤンマーディーゼルのような大きな工場が点在しています。
ここに来た時、ファシリテーターから「次は、ホストの方の地域交通のお悩みを解決してあげてください!」と伝えられ、そこでホストから共有されたのは、「工場に通勤する派遣社員の交通手段がない」という現実的な悩みでした。
特に、車を持っていない派遣社員の方が、自身が住む寮やアパートから工場までの移動手段がなく、そのために派遣会社と受け入れ工場の間で派遣社員が出社出来ないというトラブルが生じることもあるという深刻な課題が語られました。しかし今バスを運行しようとすると、外部のバス会社へ委託する形となり、月額で約120万円の費用がかかるそうです!!
提案:「規制緩和」でできることがあるのでは?
この課題に対して参加者は、次のような提案をしていました。
「派遣会社の中に大型バスやマイクロバスを運転できる人がいれば、その人に手当を支給して通勤用の送迎バスを走らせてはどうか」「会社が持っている車両を借りたり、既存のバスを使うこともできるかもしれない」
たとえば、社内に普通免許以上を持ち、安全運転ができる人がいれば、その人たちが送迎バスを運行できるようにすれば、少なくとも月120万もの高額な委託費用を払わずに、実質的な通勤支援が可能になります。
規制が「できないを生む」社会
この話をしていて、私はふと考えました。
「今、私たちが“できない”と諦めていることの多くは、実は“規制があるからできない”のではないか?」「そしてその規制は、本当に必要なものでしょうか?」
もちろん、規制は公平性や安全性を守るために存在します。しかしその一方で、現場の問題解決を妨げたり、必要な支援や経済活動を止めてしまっている面もあります。
特に公共交通の分野では、「乗合」や「自家用車活用」など柔軟な仕組みを導入しようとした際に、制度の壁に阻まれて断念される例も少なくありません。
私たちはもっと、「規制の本来の目的を見直し、今の時代に即した緩和や見直し」を行うべきではないでしょうか。
湖北2テーブルで出たこの交通の悩みは、決して一部の人だけの問題ではありません。
働く人の足がなければ、企業も地域も支え合えない。支援したくても、制度上できない。そうしたジレンマを目の前にしたとき、私たちはもっと柔軟な視点で制度を見直す勇気が必要だと感じました。
規制が“守る”ものであると同時に、“可能性を奪ってしまう”こともあるという視点。そして、その“枠組み”を変えることで、社会問題が解決できるかもしれないという希望。
交通の議論は、単なる「移動の話」ではなく、暮らしの仕組みそのものの見直しにつながっていると実感したのでした。
そして、元のテーブルへ
― 最後に選んだ“私たちの3つの提言” ―
すべてのテーブルを回り終えたあと、私たちは最初に座っていた元のテーブルへと戻ってきました。
最終ラウンドでは、まずそれぞれが他のテーブルで聞いてきた話を簡単にシェアし合い、その後、進行役の方からこんな案内がありました。
「各テーブルごとに、もっとも重要だと思ったことを3つ選び、発表してください」
さまざまな意見が交わされてきたなかで、どれを選ぶか少し迷いましたが、私たちのテーブルでは次の3つの内容を「発表すべき意見」としてまとめました。
① コンパクトシティ化の必要性
人口減少が進むなかで、都市の機能をぎゅっと集約することで、効率よく公共交通や生活インフラを支えることができるという考え方です。
「すべての地域と人を均等に支援する」のではなく、“住む場所を選ぶ自由”と“行政の効率”を両立させる都市づくりが必要ではないかという視点が込められていました。これは、グループで一番高齢のA男さんが一番強く訴えておられた内容です。
②やがて自動運転バスがやってくる
現実的な未来像として「自動運転バスやタクシー、完全版ライドシェアへの移行」は避けられないでしょう。
その流れを受け止め、今ある仕組みに固執するのではなく、「未来を見据えた制度設計」こそが今求められているのではないかという問題提起でもありました。
近江鉄道もなくなったら痛みはありますが、今すぐ廃止は考えないとしても、こちらもやがては自動運転バスなどに変わっていくだろう、しかしライドシェア解禁は、タクシーや警察の利権が絡んでるからなかなか進んでいませんね、という話でした。その話をしている時に三日月知事が来られたので、滋賀県をライドシェア特区にてください、自民の宮本かずひろ先生もそうおっしゃっているし、とお願いしました。
③ “空気を運ぶバス”を増やさない!
現在、地方のバスは乗客が少なく、「空気を運んでいる」と言われるほど空いている便もあります。
もちろん、交通弱者の方々にとっては大切な足です。けれど、そのために空のバスを走らせ続けるだけでなく更に増やすことは、住民全体にとっての重い税負担になる。
本当に困っている人をどう支えるか。一方で、持続可能な負担の形をどう作るか。このバランスをどうとっていくかが、今後の公共交通にとって重要なテーマだと、私たちは感じました。
■ 発表を前に:小さなやりとりと、静かな決意
「この3つを、誰が発表しましょうか?」と私がテーブルの皆さんに問いかけたとき、昨日から来られていたBさんが、静かにこう言ってくださいました。
「あなたが発表してください」
その一言に背中を押され、私が発表することに決めました。
私の発表内容

①コンパクトシティ化
ぽつんと一軒家と言う番組があるけれども、そこにも電気水道ガス、そして公共交通と通すなれば、税金はかなり非効率な使われ方をすることになる。もちろんそこにも生活があるけど、だからといってどこまで公が負担するのか?行政が主体となって移住を促すことも必要な時期は来ると思う。
②空気を運ぶバス は無駄遣い
竜王や日野には空気を運ぶだけのバスがたくさん走っている。でも滋賀県が交通ビジョンで掲げているような滋賀のどこに住んでいても行きたい時に行きたい場所に行けると言うのは、例えば多賀の山奥、朽木の村などでもっと多い空気を運ぶバスが増えることになる。その赤字を税負担で賄うとなると、一体どれだけの税金が使われることになるのか?それこそ持続不可能ではないか。
③今後の交通は自動運転と完全版ライドシェア
今後の交通は、自動運転バスや自動運転、タクシー、そして完全版ライドシェアがフォローすることになると思う。
例えば近江鉄道がなくなれば、東近江市が死ぬみたいな事はよく言われる話ではありますが、近江鉄道をすぐなくすと言うわけではないが、やがて自動運転バスなどに切り替わっていくのではないかと。今はとにかく自動運転やライドシェアに交通が転換している。その過渡期だと思う。でもそれを警察利権やタクシー利権が絡んで妨害している
また他のテーブルの話を聞いていても、いろいろな問題の解決が規制によって阻まれていると感じた。規制を廃止すれば民間で解決出来る事は割とあるように思う。だから、交通税を導入すると言う話があるけれども、そういう公金を使う、税金を増やすと言う前にできることがとてもたくさんある気がした。
と発表したら、一緒のテーブルだったB男さんが「話すのうまい!」と褒めてくださいました。三日月知事も「素晴らしい!」と笑顔。とても嬉しかったです。
さすが知事。交通税やめて💕
他の発表
他のテーブルでもおおむね似たような内容です。冒頭でも書きましたが、
・コンパクトシティ化が重要
・完全ライドシェア解禁
・規制廃止により民間や地域で出来ることが増える
・自動運転バス
・赤字バス路線はオンデマンド交通メインに
・なんでも税金、行政で対応するのは無理無駄が出る
・国民負担率が46%と高いのに交通税は無理がある
同じ内容が出るたびに、日野のB男さんと「やっぱりどこもその話が出ますよね」とアイコンタクトで会話していました(笑)
「それでも行政が行うべき内容がある」という人もいました。もちろんそれはそうです。ただ、これまでのシステムの維持ではなく、現実的に行きましょうねということですね!
あと、国民負担率は46%!五公五民で一揆が起こる。これ以上の税負担はダメ!という話をされていた方も!
ほとんどのテーブルで似たような話が出ていたことにものすごく安心感を得ることができてよかったです。
あー楽しかった。
超有意義でした。
多くの声が交差したこのワークショップ。最後に私のテーブルで選んだ3つの提言には、「現実的で持続可能な暮らしの形」への私たちなりの思いが込められています。
それを、ほんのわずかでも誰かの心に届けられたなら、この日の3時間は、きっと意味のある時間だったと思います。
何故か新規の会員登録も署名もあったし幸せです!参加者が気になって調べられたのかな?
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