なぜ三日月知事は「交通税」にそこまでこだわるのか?県民として納得できない理由
- 喜多G13
- 9月29日
- 読了時間: 3分

滋賀県が導入を検討している「交通税」。三日月大造知事はこの全国初の新税を、自らの任期中に制度設計まで進めようとしています。ですが、県民としてどうしても納得できない点がいくつもあります。
■ 交通税出発点は「近江鉄道」の赤字補填だったはず
交通税の構想は、もともと近江鉄道の赤字問題から始まりました。しかし現在は「県全体の交通ビジョンを支える財源」という形に拡大されています。対象が広がる一方で、肝心の財源試算は年間148億円、県民1人あたり約1万円の負担という高額なもの。
にもかかわらず、知事は「足りなければ導入する」と繰り返すばかりで、明確な説明はありません。
■ 「丁寧に検討」と言いながら、制度は着々と進行中
知事は税制審議会にすでに3回諮問しており、秋には4回目の諮問も予定されています。制度設計は2026年春に公表される予定で、交通税の骨格が実質的に完成しつつあります。
これでは、「まず結論ありきで進んでいる」と見られても仕方ありません。県民との対話や合意形成よりも、制度を先に固めているようにしか見えないのです。
■ 交通税負担の不公平性と効果の不透明さ
しかも、検討されているのは固定資産税への上乗せ(超過課税)。これは、持ち家のある家庭や事業者に大きな負担となります。それにも関わらず、交通税が本当に「公平な税」であるという根拠は示されていません。
また、交通税が「便利な暮らし」や「地域活性化」を生むという説明もありますが、数字の裏付けや費用対効果の説明は乏しく、理想ばかりが先行している印象です。
■ 財源が必要なら、なぜ既存予算の見直しや規制緩和を優先しないのか
滋賀県の当初予算は6,462億円。そのうち54%が自主財源です。どうしてまずは既存予算の見直しや歳出削減、規制緩和(例:ライドシェア導入)などを優先せず、すぐに「新税」の話になるのでしょうか?
「交通を守る」という大義名分のもとで、必要以上に県民の財布が狙われているのではないかという疑問を持たざるを得ません。
■ 人気知事だからこそ、反対しづらい空気が作られている
三日月知事は前回選挙で「交通税構想」を掲げて3選を果たしました。次の知事選や県議選では、反対意見を持つ候補が出づらい状況になる可能性があります。県議の半数以上は交通税に対して賛成の意見を持っておられない状況ですが。
しかし、「人気があるから」「みんな言いにくいから」では済まされない問題です。
■ 結論:県民が本当に求めているのは「便利な交通」ではなく「正直で納得できる政治」
交通を便利にしたいという思いに異論はありません。でも、そのために県民全員から強制的に新たな税金を取ることが、本当に必要なのか?
まずは無駄をなくすこと、既存の制度を見直すこと、そして代替案をきちんと提示すること。そういった地道な政治こそ、いまの滋賀に必要だと強く思います。
「未来のために」ではなく、「県民の声のために」進めてほしい
「交通税ありき」ではなく、「県民の暮らしありき」で政策を立て直すべきです。
わたしたち一人ひとりが声を上げることで、税金の使われ方も、政治の進め方も変えられるはずです。
関連新聞記事:滋賀県、全国初の「交通税」を制度設計へ 2026年春にも公表
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